旧ポータル製品を投入

「クアドラプルプレイ」に向かう通信事業者、オラクルの提案は?

2007/03/19

 日本オラクルと日本オラクルインフォメーションシステムズは3月19日、専任組織を設けて国内通信事業者向けの展開を本格化させると発表した。トリプルプレイを超える、ネット+電話+ビデオ配信+携帯の「クアドラプルプレイ」に取り組む通信事業者も現れ、事業は複雑化している。オラクルは手組み中心のアプリケーションをパッケージアプリケーションに置き換えることを提案していく。

 オラクルは同日付で50人規模の専任組織「Communications Global Business Unit Japan」を発足させた。米オラクルが買収した旧ポータル・ソフトウェアの日本法人の社員が中心。営業からテクニカルサポートまで一貫した体制で運営する。

oracle01.jpg 日本オラクルのJapan Applications Business Group 常務執行役員 エンタープライズアプリケーション営業統括本部長 桑原宏明氏

 グループの製品をパッケージした「Oracle Communications Industry Suite」も提供する。組み合わせたのは通信業界向け顧客管理アプリケーションの最新版「Siebel Communications」と、旧ポータルの請求、収益管理のアプリケーション「Oracle Communications Billing and Revenue Management」、サービスの受注から開通までを管理する「MetaSolv」(メタソルブ)、「Oracle E-Business Suite」の通信業界向けソリューション「Network Asset Lifecycle Management」など。

 オラクルのJapan Applications Business Group アプリケーションSC本部 インダストリーアーキテクト部 シニアマネジャー 北尾康宏氏は、通信業界におけるオラクルの注力分野として、商品企画から課金までの一貫した業務フローの管理と、ネットワーク設備のライフサイクル管理を挙げた。携帯電話を例に取ると各社は、さまざまな割引サービスをさまざまな条件で適用している。この適用ルールを新たに開発し、システムに実装しようとすると手組みでは2〜3週間かかるのが普通。しかし、Oracle Communications Billing and Revenue Managementを使えばGUIベースで最短1日で実装できるという。

 国内通信業界は年間1兆2000億円という大きなIT投資を行っている。しかし、ソフトウェアに限れば「ほとんどが手組み」(日本オラクルのJapan Applications Business Group 常務執行役員 エンタープライズアプリケーション営業統括本部長 桑原宏明氏)。オラクルは通信業界向けのパッケージアプリケーションには大きな市場機会があると見ていて、桑原氏は「ここ2年で、オラクルのアプリケーション売り上げの20%程度まで通信事業者向けビジネスを拡大したい」と話した。

(@IT 垣内郁栄)

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