オープン性を強調

“日本版Second Life”とは言わせない――「splume」とは

2007/03/20

 コンピュータ・グラフィックス作成などを行うスプリュームは3月20日、ネット上の三次元仮想空間を使ったアバターのコミュニティサービス「splume」のベータ版を公開した。一見したところ“日本版Second Life”だが、同社の代表取締役 梶塚千春氏は「セカンドライフのようなクローズドなシステムではない」とオープン性を強調している。

 splumeは専用ブラウザを使って自身の分身であるアバターをコントロールする。ほかのアバターとチャットをしたり、三次元空間の中で建造物を作るなどの活動ができる。アバターのアイコンを作成し、スプリューム経由で販売することも可能。

splume01.jpg splumeの利用画面 (c) splume

 梶塚氏が「Second Lifeとは根本的に仕組みが違う」と訴える根拠はVRMLの採用。splumeは三次元空間の表現にVRMLを使っている。空間ごとにVRMLを基に生成したファイルとURLがあり、専用ブラウザで読み込んでいる。VRMLにはほかの空間へのハイパーリンクが設定されていて、空間から空間へとシームレスにアバターが移動できるようになっている。splumeのサーバだけでなく、ハイパーリンクでつなげた別のサーバにも移動可能で、「通常のWebサーバを使って空間データを配信できる」(梶塚氏)としている。

splume02.jpg チャットやフレンドリストが利用できる (c) splume

 仮想空間内に建造物を建てるのに仮想通貨がかかるSecond Lifeと異なり、splumeは基本的に無料。スプリュームが課金するのはアバターのアイテムだけで、そのほかの活動にはお金はかからない。ユーザー間でお金をやりとりするのは自由で、スプリュームは介在しない。スプリュームはアバターのアイテム販売のほか、企業の広告を仮想空間内に出すことや、三次元グラフィックスの作成支援などを収入源とする。梶塚氏は「ある意味で非常に際どいビジネスだが、ユーザーにどんどん使ってもらう」としている。

 スプリュームは専用ブラウザの機能をInternet ExplorerなどのWebブラウザで実現するプラグインや、仮想空間内の三次元グラフィックスを開発できるオーサリングツールも開発中で、オーサリングツールは今夏にも提供開始するという。

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(@IT 垣内郁栄)

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