数カ月内に新戦略を発表

レッドハット、「大衆向け」Linuxデスクトップ製品を計画

2007/03/22

 米レッドハットがパッケージ化されたLinuxデスクトップソリューションを計画している。中堅・中小企業(SMB)市場や新興市場などをターゲットとするこの新たなデスクトップ戦略は、数カ月中に発表される予定だという。

 レッドハットが、パッケージ化されたLinuxデスクトップソリューションを計画している。同社では、現在のクライアントソリューションのユーザーベースよりもはるかに広範なユーザー層向けにLinuxデスクトップ製品を推進する考えだ。

ノベルのSUSE Linux Enterprise 10に対抗

 この計画には、ノベルのSUSE Linux Enterprise 10プラットフォームに対抗する狙いもある。同プラットフォームには、2006年7月にリリースされた「SUSE Linux Enterprise Server」と「SUSE Linux Enterprise Desktop」が含まれる。

 レッドハットの技術担当執行副社長、ポール・コーミアー(Paul Cormier)氏は米eWEEKのインタビューで、「新たなデスクトップ戦略を推進するに当たり、従来とは大きく異なる市場に目を向け、真剣にデスクトップに取り組むつもりだ。この新戦略は、数カ月中に発表する予定だ」と述べた。

 「これは、中堅・中小企業(SMB)市場や新興市場などをターゲットとした総合的な製品になる。この戦略の狙いの1つは、当社の既存の顧客よりも広範な大衆にLinuxデスクトップを普及させることだ。つまり、従来とは異なる大衆向けのパッケージソリューションが登場するということだ」と同氏は語る。

 この戦略は一般コンシューマー市場も対象とするのかとの質問に対して、コーミアー氏は、「一般コンシューマー市場を対象とするというのがBest Buyで製品を販売するという意味であれば、そのような形で販売する予定はない。コンシューマーがWeb上で製品をダウンロードし、レッドハットネットワークサブスクリプションを入手できるようにするつもりだ。これが将来の配布形態の主流になるとわれわれは考えている」と述べている。

 ノベルが以前から、デスクトップからデータセンターまでを対象とした幅広いソリューションをSUSE Linux 10製品で提供していることを考えれば、レッドハットが広範なデスクトップ市場への再参入を狙っているというニュースは驚きではない。

 レッドハットがデスクトップ市場に新たに注目する一方で、ノベルはソルトレークシティで開催中の年次Brainshareカンファレンスで、SLED(SUSE Linux Enterprise Desktop)10用の最初のサービスパックのリリース候補版を発表しようとしている。

 ノベルの幹部は、幅広いユーザーを対象とした自社の製品は、レッドハットが現在提供している製品よりもはるかに優れていると主張している。しかしコーミアー氏は、「レッドハットは既に、エンタープライズデスクトップをターゲットとした当社の現在のクライアントによって、デスクトップからサーバおよびデータセンターに至るソリューションを提供している」と反論する。

 しかしノベルでLinuxとオープンソースの製品マーケティングを担当するディレクター、ジャスティン・スタインマン(Justin Steinman)氏は、「ほとんどのITマネジャーは、デスクトップからデータセンターに至るソリューションを提供する包括的なOSプラットフォームを求めている。そのほうが、管理ツールと従業員のスキルを有効に活用できるからだ」と主張する。

 スタインマン氏は、レッドハットのデスクトップに関するニュースが報じられる前に、eWEEKの取材で「レッドハットは基本的にデスクトップを無視している。一方、SUSE Linux Enterprise Desktopは継続的に新規顧客を獲得している。例えば、Peugeot Citroenでは、当社のデスクトップが2万本導入された」と語っている。

 しかしIlluminataのアナリスト、ゴードン・ハフ(Gordon Haff)氏は異論を唱え、Linuxがデスクトップで本格的にテイクオフしていないのは紛れもない事実だと指摘する。

 「デスクトップ製品を持っていないことが、レッドハットにとって特にマイナス要因になるとは思わない。確かに、デスクトップとサーバの両方でLinuxを本当に必要とする企業であれば、ノベルを選択する可能性が高いだろう。ただ、レッドハットがデスクトップ製品を提供しなかったのは、同社のこれまでのビジネス判断でもあるのだ」と同氏は話す。

 451 Groupの上席アナリストでオープンソース業務責任者を務めるレーブン・ザカリー(Raven Zachary)氏も同意見で、「ほとんどの企業は極めてヘテロジニアスなデータセンターを配備しており、当分の間、単一のOSベンダが単一のOSプラットフォームで標準化するよう企業を促すのに成功することはないと思う」とeWEEKの取材で述べている。

 一方、コーミアー氏は、Linuxクライアントの分野に関してノベルは大きな誤解をしていると考えており、「レッドハットは以前からクライアントソリューションを提供しており、RHEL(Red Hat Enterprise Linux)5の最近のリリースにもクライアントソリューションが含まれる」と話す。

 「このクライアントはデスクトップ上に置かれるという類のものではなく、クライアントの相互運用性を実現するためのものだ。この相互運用性のカギとなるのがSambaで、われわれはSambaチームの大半のメンバーをレッドハットに迎え入れ、開発に協力してもらった」と同氏は語る。

 「商用デスクトップという観点でいえば、われわれはステートレス機能などをRHEL 5に組み込み、プレビューを行った。この機能はさらに洗練され、RHEL 5サブスクリプションを通じて提供される。これはデスクトップの重要な機能であり、商用分野での相互運用性と管理に主眼を置いたものだ」(同氏)

 しかしノベルの幹部やアナリストらは、レッドハットのクライアント製品はSLED 10に匹敵するものではなく、両製品は比較の対象にもならないとして、同氏の主張を退けている。

 ノベルの広報担当者によると、同社の製品に対抗するためにレッドハットがデスクトップに再び注力する必要があると判断したとしても、ノベルは驚かないだろうとしている。

原文へのリンク

(eWEEK Peter Galli)

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