米CAが新管理モデルを発表

IT管理システムはもっと賢くなれる

2007/05/07

nugent01.jpg 米CA CTOのアル・ニュージェント氏

 米CAは4月22日、同社が米国ラスベガスで開催したCA Worldで、同社の製品を16のソリューションにパッケージ化した「Capability Solutions」と、これらソリューション間の統合度を高めるための新たなモデル、「Unified Service Model」を発表した。これについて同社CTOのアル・ニュージェント(Al Nugent)氏に聞いた。

 「各Capability Solutionにおける統合も進めるが、その次のフェイズとしてこれらソリューション間をより高いレベルで統合する。各Capability Solutionsでは今後順次SOA(Service Oriented Architecture)対応を行い、より複雑なソリューションを容易に構成できるようにする。Unified Service Modelは中核に位置し、さまざまなソリューション間の関係についてハイレベルな見せ方を可能にする」(ニュージェント氏、以下同)。

 Universal Service Modelでは、現在「CA Service Desk」にも含まれている同社の構成管理データベース「CA CMDB」を機能拡張し、構成管理情報の保持に加えてほかのソリューションの情報を適宜活用できるようにする。

 新モデルでは、他社管理製品との情報流通機能を強化していることが1つのポイントとなっている。Common Base Events(CBE)仕様を活用し、各管理製品独自のフォーマットによるイベント情報を標準的な形に変換し、分析やポリシーの適用を一気通貫でできるようにするという。

 「Unified Service Modelでは、各種のアプリケーション関連情報やインフラ関連情報を結び付け、これらと業務との関連を管理できるようになる」。CAの次世代IT管理システムでは、さまざまなイベント情報を相互に関連付けた形で単一画面上に表示でき、さらにこれらイベントをグループ化して、同様な事象が今後発生した際には自動的に一連の動作を行うように設定することが可能。

 管理アクションは必要に応じて設定されるポリシーに基づいて行われるが、CAの新システムではこのポリシーをIT担当者、アプリケーション運用担当者、業務部門担当者などがそれぞれのニーズに基づいて別個につくれるようにするという。これら複数のポリシー相互の関連付けや矛盾の解決は、新世代システムに組み込まれるポリシーサービスが自動的に行う。

 「アイデンティティ」の考え方を拡張して、IT管理により大きな役割を果たせるようにするのも新システムの特色だ。アイデンティティというと、一般的には人のIT利用管理を指すが、ニュージェント氏は場所やIT資産など、さまざまな存在をアイデンティティとして管理できるという。アイデンティティにポリシーを適用するという手法で管理を組み立てることにより、動的な管理を実現するとともに、業務と関連付けしやすくするという。

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(@IT 三木泉)

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