アイエニウェアが発表

DB組み込みアプリが常識に? SQL Anywhere最新版が登場

2007/05/10

 アイエニウェア・ソリューションズは5月10日、組み込み向けRDBMSパッケージ「SQL Anywhere 10」日本語版を発表した。前バージョンに比べ大量データ処理を強化し、可用性を向上させたのが特徴。

iany01.jpg アイエニウェアの代表取締役社長 早川典之氏

 SQL Anywhereは、パッケージソフトウェアやハードウェア、モバイルデバイスに組み込むことができるRDBMSパッケージ。Windows系OSからモバイル系OS、Linuxまで広くサポートする。国内では、会計システム、営業支援システム、サービス支援システム、土木積算システムなどのアプリケーションに組み込まれて利用されるケースが多い。日本郵政公社の物流部門は、約2万4000支店のデータベースにSQL Anywhereを使用している。

 アイエニウェアの代表取締役社長 早川典之氏によると、SQL Anywhereは国内で年間5〜6万本出荷していて、「国内のアプリケーション組み込みデータベース市場ではトップシェア」。これまでデータベースを組み込んだパッケージソフトウェアは中小企業でのニーズが高かったが、企業におけるIT部門の縮小も予想されることから、大企業での需要も高まると早川氏はみている。

 SQL Anywhere 10の主な特徴は、「データベース ミラーリング」機能を使った高可用性。システム障害からの保護に有効な機能で、プライマリ・サーバとセカンダリ・サーバを障害時に切り替えるハイアベイラビリティ構成を採ることができる。

 Visual Studio 2003/2005との統合強化も特徴。Visual StudioからSQL Anywhere管理ツールへのアクセスが可能になり、利用者の生産性が向上する。早川氏によると、Eclipseとの連携機能も開発しているという。

 サーバ、クライアントのほか、Oracleデータベースなどと同期できる「Mobile Linkサーバ」、メッセージング機能が付いた「パーソナルサーバ」などを含む基本パッケージは13万8000円(税別、以下同)。前バージョンの9万2000円と比較して値上げしたが、前バージョンがそれぞれの製品で1ライセンスしか付属しなかったのに対して、Anywhere 10はクライアントやパーソナルサーバ、Ultra Lightが5ライセンス付くなど「価格的にはリーズナブル」(早川氏)という。

(@IT 荒井亜子/平田修)

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