サーバ仮想化管理も強化

富士通は新サーバブレードでシェア2倍を目指す

2007/05/14

fujitsu01.jpg 富士通 パーソナルビジネス本部長代理 増田実夫氏(左)とプラットフォーム技術開発本部長 橋本光廣氏(右)

 富士通は5月14日、PCサーバ「PRIMAGY」シリーズのブレードサーバで新しいサーバブレードなどを発表した。富士通の2006年におけるブレードサーバ市場でのシェアは1けたに止まるが、「2007年には2倍の15%を目指す」と同社 パーソナルビジネス本部長代理 増田実夫氏は話した。2008年度はシェア上位3社と並ぶこともターゲットになるという。

 今回の発表では、ネットワーク帯域の拡張と仮想化の管理が中心となっている。

 まず、6月上旬に出荷開始のサーバブレード「PRIMERGY BX620 S4」は、1ブレードに最大10ポートのギガビットイーサネットポートを構成可能(標準で6ポートを搭載)。これによりサーバ仮想化におけるネットワークの容量や安定性の課題に対応するという。これに伴い、同じく6月上旬に出荷開始する「PRIMERGY BX600 S3シャーシ」でも、ブレードと内蔵スイッチ間の最大実用帯域を約4.3倍に拡大する新たなミッドプレーンを搭載した。さらに7月下旬には、ブレードサーバに内蔵するLANスイッチで、10Gbpsイーサネット・ポートを12ポート搭載した「BX600スイッチブレード」を提供の予定という。

 サーバ仮想化への対応では、「Systemwalker Resource Coordinator Virtual server Edition V13.2」を9月に出荷開始する。これはブレードサーバに特化した管理ツールで、物理サーバの管理とVMware ESX Serverの機能の利用を1つの画面から行えるのが特徴。例えば、物理サーバブレードの障害に備えるために特定のブレードを予備サーバとして設定することがあるが、この予備サーバをVMwareで管理される仮想サーバの予備サーバとして共用する設定を行い、障害発生時には予備サーバによるシステム立ち上げまでを自動的に実行することもできる。VMwareとのやり取りは同ツールが行うため、管理者は管理ツールを使い分ける必要がない。経済性に優れたN+1スタンバイシステムとして利用できるという。

 同ツールではまた、6月中旬出荷開始予定の「PRIMERGY BX600ファイバーチャネルスイッチブレード(4Gbps)」上で9月に提供開始予定の「SAN接続仮想化オプション」との連携により、ファイバーチャネルSANの利用で仮想的なWorld Wide Nameを割り当て、サーバブレードを切り替えた場合のファイバーチャネルSAN側での設定変更を不要にする。

 こうした運用や管理における容易さと低コスト性を全面に押し出しながら、「ハードウェア、ミドルウェア、サービスと、システムワイドに一括で提供できるのはわれわれだけ」(増田氏)という強みを生かしてブレードサーバを拡販していきたいという。

(@IT 三木泉)

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