Dynamics CRMを活用したBIシステム

MSがDynamics CRM 分析テンプレートを発表

2007/05/15

 マイクロソフトは5月15日、Microsoft Dynamics CRM 分析テンプレートを6月末に提供すると発表した。同テンプレートは無償の共有ソフトウェアとして、同社のビジネス・パートナーに提供する。パートナー企業はこのテンプレートを活用して独自のビジネス・インテリジェンス(BI)システムを開発し、顧客に販売することができる。マイクロソフトは、将来的には顧客企業が直接分析テンプレートを無償で入手できるようにする予定。

マイクロソフト写真 マイクロソフト 吉田周平氏(マイクロソフトビジネスソリューションズ事業統括本部)

 CRM 分析テンプレートは、分析系のCRMを「短期間かつ低コストで」(同社)で構築することを支援するためのテンプレートパッケージ。Microsoft Dynamics CRM 3.0をデータソースに、あらかじめ設計された多次元データベース(分析用キューブ)を備えている。サンプルKPI、スコアカード、定型レポート、ピボットテーブルを利用したアドホック分析用Excelシートなどで構成されている。

 日々蓄積される業務の処理データを活用して、KPIを用いたパフォーマンス管理や、ピボットテーブルを用いた多次元分析、データマイニングモデルを用いた予測分析が行える。データを表示するツールとしてExcelを利用できる点がマイクロソフトの製品としての強みを持つ。

 例えば、Excelのピボットテーブルやピボットグラフを用いて、多次元データベースのデータをさまざまな角度からアドホックに分析することが可能。この場合、データベース層に、Microsoft Dynamics CRMとSQL Server 2005を置き、Excel(プレゼンテーション層)から多次元データベースにアクセスする仕組みを構築する。ピボットテーブルのフィールドにはKPIリストも含まれるため、アプリケーション層のBusiness Scorecard ManagerをExcel上に表示することもできる。

 CRM分析テンプレートを利用して独自のBIシステムの開発を表明しているのは、ベリングポイントとケイ・ピー・アイ・ファクトリー。

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(@IT 谷古宇浩司)

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