仮想サーバのI/O設定適用・変更を自動化

サーバI/O仮想化アプライアンスをシーゴが日本で初公開

2007/05/15

 シーゴシステムズ・ジャパンは5月15日、米シーゴシステムズが6月下旬に世界で同時発売予定のサーバI/O仮想化アプライアンス「Xsigo VP780」を紹介した。5月16〜18日に東京で開催されるデータストレージEXPOで販売代理店のネットワンシステムズが展示するが、これが世界で初めてだという。

 米シーゴは2004年に設立された企業。VP780は同社にとって初めての製品となる。このアプライアンスはサーバファームのネットワーク/FC SANを集線するとともに、物理サーバや仮想サーバの管理を容易にするための各種機能を提供する。

 VP780はサーバに接続するためのポートを24個搭載、さらにネットワークやファイバーチャネルSANと接続するI/Oモジュールのためのスロットを15個備えている。

xsigo01.jpg シーゴシステムズのXsigo VP780

 通常の構成では同アプライアンスを各物理サーバとそれぞれ1本の10Gbps InfiniBandで接続、ネットワークとファイバーチャネルSANのトラフィックをこれに集約する。一方、同アプライアンスは、イーサネット・モジュールやファイバーチャネルSANモジュールを通じてネットワークやSANと接続する。この構成によって配線を簡素化することができる。

 各サーバあるいは仮想サーバ上のアプリケーションは、サーバOSあるいはハイパーバイザのInfiniBandドライバに、同社の提供する仮想ネットワークアダプタあるいは仮想SANアダプタ経由でアクセスすることになる。

 VP780では仮想ドライバを集線に活用するとともに、MACアドレスやIPアドレス、ファイバーチャネルSANで使われるWorld Wide Nameを仮想化し、こうしたI/O関連の設定を各仮想サーバにひも付けることができる。このため、ある仮想サーバがダウンした場合に、ストレージやネットワーク設定を引き継いで代替の仮想サーバを自動的に立ち上げることができる。ある仮想サーバを物理サーバ間で移動する作業も、管理ツール上でのドラッグ・アンド・ドロップだけで行うことができる。

 新製品はまた、仮想ネットワークアダプタあるいはアプリケーション単位でネットワーク利用帯域を割り当てられる機能も搭載している。

 VP780が最初のリリースでサポートするサーバ仮想化ソフトウェアはXenおよびMicrosoft Virtual Server。VMware ESX Serverのサポートは2007年末頃になりそうだという。理由はまだInfiniBandに対応していないため。いずれの場合も、VP780用の管理ツールからサーバ仮想化ソフトウェアよる設定にアクセスして、I/O関連設定を適用することができる。物理サーバ上で直接OSを動かす場合、サポートするのはWindowsファミリとカーネル2.6対応のRed Hat Linux。今後Solarisなど、対応OSを広げていく予定という。

 VP780のメーカー希望小売価格は600万円(最小構成時)。国内ではネットワンシステムズと住商情報システムが販売代理店となっている。シーゴシステムズ・ジャパンでは初年度でワールドワイドでの売り上げの20%を目標とする一方、長期的に国内システムベンダへのOEM提供を狙っていきたいという。

(@IT 三木泉)

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