Weekly Top 10

IT業界と自転車業界の共通点が分かった

2007/06/04

 先週の@ITニュースのアクセスランキングは先々週に続き、NTT東日本の光IP電話サービス「ひかり電話」の障害の記事が1位に入った。ひかり電話は5月だけで3回も障害を起こした。加入者はどのような気持ちでひかり電話を使っているのだろうか。NTT東日本、西日本がひかり電話の信頼を取り戻すのは難しそうだ。

NewsInsight Weeky Top 10
(2007年5月27日〜6月2日)
1位 「ひかり電話」にまた障害、1万台が着信できない可能性
2位 ストールマンは正しかった
3位 3秒で2000ルータがダウン、NTT東フレッツ障害の原因は
4位 グーグル、Webアプリをオフライン対応にする「Google Gears」開発
5位 「電子メールですらもう古い」、Web 2.0世代の仕事術は
6位 国立国語研究所が大規模コーパスを試験公開
7位 グーグルがオープンソース大好きな理由
8位 鳥の視点で地図をスクロール、gooラボがWPFで提供
9位 NECが体感施設を設けた「NGN」、そのサービスは?
10位 MS「ハイテクテーブル」の“ゴリラ腕問題”

自転車業界の独占企業

 「ところで記者は、最近気になっていることがある」とITmediaの記事にあるが、私もIT業界と自転車の関係が気になっている。IT業界で人気なのは、というか人気が高まっているのはロードバイクやマウンテンバイクなどのスポーツ自転車だ。実はIT業界とスポーツ自転車業界には似たところがあり、そのためにIT業界の人が居心地いいのではと疑っているのだ。

 似たところとは独占企業の存在だ。IT業界の独占はマイクロソフト。クライアントPC向けの「Windows」やオフィスソフトウェアの「Microsoft Office」、Webブラウザの「Internet Explorer」は圧倒的な市場シェアを誇り、独占禁止法違反の訴えを起こされるほどだ。

 対して、自転車業界の独占企業といえば日本のパーツメーカーであるシマノだ。シマノは自転車のブレーキや変速機などをコンポーネントとしてブランド別に一体で提供している。ロードバイク向けコンポーネントの最上位ブランド「DURA-ACE」を搭載した自転車は、世界のロードレースの最高峰である「ツール・ド・フランス」などで多く見かけることができるだろう。プロ向けの高級自転車からエントリクラスのスポーツ自転車まで「SHIMANO」ロゴが入ったパーツが席巻している。

 自転車業界は企業の合従連衡の歴史だ。シマノがブレーキレバーと変速レバーを一体化した「STI」(シマノトータルインテグレーション)を開発するまでは、世界中で中小のパーツメーカーが独自機構のパーツを自転車メーカーに出荷していた。しかし、STI登場以後は、自転車業界のアップルともいえる、イタリアの「カンパニョーロ」以外はほぼ消滅した。大型合併が続くIT業界も自転車業界と同じ道を進むような気がする。

(@IT 垣内郁栄)

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