富士通ラーニングメディアが新研修

新入社員の「先生の先生」を育成します

2007/07/02

 富士通ラーニングメディアは7月2日、提供開始の2007年度下期(2007年10月〜2008年3月)研修コースを説明。下期の新たな取り組みとして、実践的な「上級プロジェクトマネージャ育成」、新入社員のOJTトレーナーを指導する立場のマネージャ向け研修「トレーナーズトレーナー研修」、大学との連携を含めた「組み込み人材育成への取り組み」の3点を挙げた。

flm01.jpg 富士通ラーニングメディア 専務取締役 楠武芳氏

 富士通ラーニングメディア 専務取締役 楠武芳氏は、同社のビジネス状況について「売上高が2005年に底を打ち、2006年から上昇に転じた。景気の回復から4〜5年遅れて、各企業が研修に投資し始めたと考えている」と述べた。2007年度上期の申し込み状況、定期講習会提供数も120%前後の伸びを見せ、好調に推移。今後も順調な伸びが予想されるという。その背景として、(1)企業の人材育成予算の伸長傾向、(2)採用人員の増加、(3)2007年問題での技術者不足による人材育成の必要性を挙げ、「1人当たりの生産性というか質を高める必要があるのだろう」と分析した。

 こうした企業の状況に応えるため、「コースの単品売りを脱却し、人材育成のライフサイクルマネジメントを実現するソリューションを提供したい。数年前から取り組んでいたが、ようやく土台ができてきた」という。

 具体的な取り組みについて見てみよう。同社 研修事業部長 羽賀孝夫氏によると、上期からの重点テーマであった「プロジェクトマネジメント」「OJT支援」に関連し、下期からは「上級プロジェクトマネージャ育成コース」「トレーナーズトレーナー研修」を提供する。さらに「組み込み人材育成への取り組み」も進める。

 「上級プロジェクトマネージャ育成コース」では、「これまでにも提供していた演習形式のものからさらに一歩進め、一般のプロジェクトマネージャに気付きを与え、洞察力に優れ失敗をリカバリできる上級プロジェクトマネージャを育成する」という。コース中の課題には富士通グループの失敗事例や成功事例も盛り込み、演習を行う。少人数の受講者を複数の講師が受け持つ形式で、プロジェクトの現場で育て切れていない人材の育成を目指す。

 「トレーナーズトレーナー研修」は、新入社員担当のトレーナーをさらに指導する立場のマネージャに対する研修。いわば新入社員の「先生の先生」を育成するものだ。これまでも新入社員のOJTを補足する研修、トレーナー研修に力を入れてきたが、新研修により「組織全体で学習する仕組みづくり」「学習する組織をつくるリーダーの育成」を目標とする。

 「組み込み人材育成への取り組み」では、組み込み開発者が増加傾向にありつつも現場に不足している状況に対応し、組み込み開発者の育成コースを充実させる。さらに大学との連携も視野に入れている。富士通の組み込み技術のノウハウを盛り込んだ体系的な研修を学校市場に提供する予定。2007年10月以降、学校の教職員に実際の講座を体験してもらい、導入を進める考えだ。

 これらの新研修によって富士通ラーニングメディアは「現場で活躍できるプロフェッショナルの育成を支援」(羽賀氏)し、「最終目的としては人材育成を通じ、お客さまの経営、事業に貢献」(楠氏)することを目指す。

(@IT 長谷川玲奈)

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