2010年には売り上げを1.5倍に

日本オラクルが3000人体制に、OISとの協業を「全部門に拡大」

2007/07/06

 日本オラクルの体制が2008年5月末に3000人規模に膨らみそうだ。旧ピープルソフトやシーベルを統合した日本オラクルインフォメーションシステムズ(OIS)とのクロスライセンス契約を拡張し、新たに約270人の出向を受け入れる。7月6日に会見した日本オラクルの代表取締役社長 新宅正明氏は「米オラクルのM&A戦略の効果を日本マーケットにおいても最大限に発揮する体制ができる」と話した。日本オラクルは協業強化によって、2007年5月期で1007億円の売上高を2010年5月期には1500億円に押し上げることを狙う。

oracle01.jpg 日本オラクルの代表取締役社長 新宅正明氏

 オラクルとOISは2006年に協業をスタート。だが、「限られた商品を日本オラクルを通じて販売し、営業部門の数名のみが日本オラクルに出向する」という限定的な内容だった。今回の協業拡張では日本オラクルが取り扱える商品をOISの全ライセンス、全サービスに広げた。日本オラクルへの出向人員も約270人に増やし、ライセンス販売やサービス提供の窓口を日本オラクルに一本化する。新宅氏は「協業を全部門に拡大する」と強調した。

 新宅氏によるとOISの出向を受け入れた場合の体制は2000人規模。非正規社員を合わせると2500人規模になる。日本オラクルは2008年5月期に約400人の採用を計画していて、今期末には2900〜3000人規模の体制になる見込みだ。日本オラクルが体制強化を目指す背景には、2007年5月期に最高益を達成するなど、同社の好調な業績がある。今後も年間平均成長率が10%以上で推移すると見ていて、人材の拡充を早めに図る考えだ。新宅氏は「協業新体制では特にアプリケーション、コンサルティング、エデュケーションで効果が顕在化してくるだろう」と話した。

 今年度に注力するのは、米国本社が活発に買収を続けている産業別アプリケーション。新宅氏は「金融や流通向けの体制も日本で固まってきた」と説明した。さらにシステム製品ではLinuxにも注力する。Red Hat Linuxをサポートする「Unbreakable Linux」について国内でも近く発表する考え。新宅氏は「本格的な動きが始まる。Unbreakable Linuxは大きな柱になる」と話した。データベースの新バージョン「Oracle Database 11g」も近く発表する。

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(@IT 垣内郁栄)

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