SFAに必要な機能に絞り込んで操作を簡単に

サイボウズSFA市場に参入〜日本の営業方法に合った製品を

2007/07/23

 サイボウズは7月23日、インテグラート・ビジネスシステムと共同開発したSFAソフトウェア「サイボウズ ドットセールス」(以下、ドットセールス)の販売を開始すると発表した。ドットセールスは、サイボウズなどと同様にサーバにインストールしてWebブラウザ上で利用するソフトウェア。ガルーン2とのスケジュール連携機能も搭載する。

 ドットセールスは、サイボウズがインテグラート・ビジネスシステムと共同開発したSFA(Sales Force Automation)製品。サイボウズは、既存のSFA製品は「営業人員の流動的な雇用スタイル」や「短期的な成果主義が主流」といった“米国の営業スタイル”にマッチしたシステムが多く、日本企業にはなじみにくいと分析。

ドットセールス写真 ドットセールスのトップ画面イメージ。スケジュールを中心に必要な機能を画面内で確認できるように工夫してある

 IDG Japanやノークリサーチなどの調査結果によると、国内企業におけるSFAやCRMの導入率は約11%にすぎない。一方で、利用意向に関する調査では、特に中小企業においてニーズが高いことが分かったという。これらの事情を踏まえて考えると、日本の営業環境においては、顧客を軸にした情報共有を簡単に実現し、営業マンを育成できるシステムが求められていると分析し、今回のドットセール開発に至った。

 具体的には「活動報告機能」「顧客管理機能」「ガルーン2 スケジュール連携機能」「管理機能」の4つの機能を搭載している。活動報告機能は、営業の活動内容や課題などを報告するための機能。上司や同僚からのコメントを書き込めるフォロー欄を備え、情報共有やコーチングに活用することもできる。顧客管理機能では、顧客の会社情報や事業所情報などを登録できる。この際、活動報告機能と関連付けて管理するので、情報の再利用性が増すとした。

 ガルーン2 スケジュール連携機能は、ドットセールスとガルーン2を連携できる機能。具体的には、ドットセールスで登録、変更、削除した予定がガルーン2のスケジュールに反映されるというもの。管理機能では、分かりやすいユーザーインターフェイスを重視。活動報告などのフォーマットをユーザーごとに変更することが可能だ。ユーザーのアクセス権限や操作権限も細かく設定することができるほか、アクセスログをCSVファイルに書き出すことができるので、内部統制の観点でも有効だとした。

ドットセールス写真 ドットセールスの活動報告画面。外回り終了後には活動報告を求めるメッセージが来るなど、活動報告忘れを防ぐ機能が備わっており、できる限り使われるような工夫がされている

 サイボウズではドットセールスによって、「1.スケジュールを登録」「2.活動報告を作成」「3.メンバーで閲覧」の3ステップで情報共有ができると説明。さらに、スケジュールと活動報告を一対で管理したり、予定の日時を過ぎるとトップページに表示して注意を促すなどの機能で、この3ステップがきちんと行われるようにしているとした。

 対応OSは、Windows Server 2003 Standard Edition SP1とWindows Server 2003 R2 Standard x64 Edition。対応ブラウザはInternet Explorer 6とFirefox 1.5となる。価格は30ユーザーで105万円から。発売記念キャンペーンとして12月27日まで、最大70%引きのキャンペーンを行う。

 サイボウズ広報の村松康孝氏は、「既存のSFA製品は、多機能過ぎて操作が複雑になっており、使われていないことが多い。ドットセールスでは機能を絞り込み、SFAに本当に必要な情報共有などに注力し、簡素化した。簡素化して操作を簡単にしたことで利用も増えるだろう。また、コンサルティングなしで導入できるようにして導入コストを抑えている」と語り、ドットセールスのメリットを説明した。

(@IT 大津心)

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