BEA、実例を交えたSOA教育プログラムを発表

日本もSOA市場がようやく立ち上がってきた?

2007/07/31

 日本BEAシステムズは7月31日、SOAへの新しい取り組みとして「SOA in Practice」を発表した。同社 ソリューション営業本部 SOAビジネスディベロップメント 神沢正氏は、「ユーザーの声に『具体的なSOAの事例を知りたい』というものが多い。このニーズを満たすために具体的な事例を含め、アーキテクチャから製品詳細までを幅広く学んでもらう会だ」と説明した。

神沢氏写真 日本BEAシステムズ ソリューション営業本部 SOAビジネスディベロップメント 神沢正氏

 BEAは2003年ころよりSOAビジネスに注力してきたが、「ようやく実行段階へ移行してきた。1年前までは多くの人が『What's SOA?』の状態であり、まずSOAを理解してもらわなければならなかったが、今年に入ってSOAの市場が立ち上がってきた」(神沢氏)と分析。SOAが構築段階に進んだことで、SOAをリードするアーキテクトが求められているとした。

 こういった背景から、BEAでは「SOAの市場立ち上がりに対応するために、パートナーを含めてSOAの提案力向上が必要」と判断。SOAの提案スキルを上げるための認定制度「SOA University」を2007年2月に開始した。SOA Universityは、東京で月1回、大阪で2〜3カ月に1回のペースで開催。授業とテストを行い、合格者にはBEA認定資格「BEA Certified SOA Sales」を認定する。開始後半年間で合格者は351人に上るという。

 一方で、BEAが開催するユーザー向けイベントのアンケートには必ず「具体的なSOAの導入事例を知りたい」という要望が挙がっていたとし、「より具体的な事例を踏まえて、アーキテクチャから製品導入までを実践的に学んでもらう場を作りたかった」(神沢氏)ことから「SOA in Practice」を発表した。

 SOA in Practiceでは、情報システムのデザインやアーキテクチャ策定などの、いわゆる「上流工程」に携わるユーザーを対象に実施。SOAアーキテクチャの解説や事例紹介、SOAを構築するための「BEA AquaLogicファミリー製品」の解説などを1日かけて行う。事例は日本を含めたアジア・パシフィック地域の3事例を紹介。SOAの具体的な構成イメージや製品導入の勘所を解説する。神沢氏は「SOAに関するセミナーというよりはプラクティスに近い」とコメントした。

 神沢氏は「日本は米国よりは遅れているものの、SOAの市場が立ち上がってきている。今年はとにかくスピード重視で、他社に先駆けSOAへの取り組みを本格化したい。SOAでは、基盤構築とベンダの関係が1対1になりやすいので、先行者利益が大きい。『SOA in Practice』などの取り組みを積極的に実施して、他社に先駆けて日本のSOA市場を開拓していきたい」と語った。

(@IT 大津心)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)