日本では産業機械やハイテク業界に注力

コンポーネント式を採用して工場に強いERP〜IFSジャパン

2007/08/01

 オラクルによるピープルソフト買収に始まり、インテンシアが2006年にローソンソフトウエアに買収されるなど、ERP業界の激動が続いている。そんな中、NECと提携し、日本で独自展開をしているのがIFSジャパンだ。今回は、IFSジャパン 代表取締役社長 ステファン・グスタフソン(Stefan Gustafsson)氏に話を聞いた。

グスタフソン氏写真 IFSジャパン 代表取締役社長 ステファン・グスタフソン氏

 IFSは1983年にスウェーデンで設立されたERPベンダで、日本支社設立は1997年。全世界54カ国で活動しており、ユーザー数は2000社、60万ユーザーに上る。2006年の売上高は3億1500万ドル。売り上げ比率はヨーロッパが71%、北米が18%、そのほかが11%。日本では、日本支社の設立当初からNECと提携して共同開発などを行っており、2004年にはNECがIFS本社へ出資もしている。

 同社のERP「IFS Applications」の特徴は、コンポーネント型を採用し「まずは、必要な機能だけ導入し、その後に必要に応じて機能を追加・変更できる点だ」(グスタフソン氏)。また、サービス指向コンポーネントアーキテクチャ(SOCA)をうたっており、外部システムとの連携も強化している。製品の特徴について、グスタフソン氏は「もともと当社がスウェーデンで起業した際には、エネルギー施設の設備保全やセキュリティ(安全管理)から始まっており、その後に会計の機能を追加してERPになっていった経緯がある。従って、会計機能から発展している他社ERP製品とは毛色が違う。日本の企業に当社ERPの機能で最も評価されているのは、長期間の生産管理機能や設備管理機能など。現在は産業ロボット業界向けの生産管理が売れ筋だ」と説明した。

 IFSではワールドワイドで7つの業界に注力しているが、日本では特に「自動車・自動車部品製造」「ハイテク産業&医療用機器製造」「産業用機械・機器製造」の3業界に注力。同氏によると、「工場でまずは20ユーザーくらいから導入して、その後機能を拡張していき、本社のSAP R/3やOracle EBSなどと連携しているケースが多い。例えば、独BMWも本社ではSAPを利用しているが、車体工場ではIFSを利用している」とコメントした。

 今後は、Microsoft Excelとの連携を強化。現在、IFS Applicationsの各種レポートをExcelでエキスポート可能だが、今後はエキスポートして加工したExcelのデータを再度IFS Applicationsへ戻す機能などを追加していく。

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(@IT 大津心)

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