専用クライアントを排し、導入コストを抑える

2Xアルファ、欧州発のシンクライアントソフト販売へ

2007/08/08

2x01.jpg 2Xアルファ・ソリューションズ代表取締役社長 木原則尚氏

 2Xアルファ・ソリューションズは8月8日、シンクライアントソフトウェア「2Xソフトウェア」の国内販売を開始すると発表した。2Xアルファ・ソリューションズは7月9日に設立。キプロスに本社を置く2Xソフトウェアと独占販売契約を締結し、同社のソフトウェア製品のライセンス販売、保守業務を行う。

 取締役事業部長の古海博久氏によれば、2Xソフトウェアは、これまでヨーロッパを中心に営業を展開しており、シトリックスに次いでブランド認知度は高いという。英BMWや独デグサをはじめ、ヨーロッパの企業、政府機関、大学での利用が多いとしている。アジア圏での販売は初めて。

既存PCのシンクライアント化で初期コストを低減

2x02.jpg 2Xソフトウェアの製品概要(クリックで拡大)

 販売するのは「2Xアプリケーションサーバー」「2Xシンクライアントサーバー」「2Xロードバランサー」の3製品。2Xアプリケーションサーバーは、Windowsアプリケーションをサーバ上で実行し、Windows、Mac、Linuxにインストールしたクライアントを使って遠隔利用するための製品。アプリケーションはWebブラウザ上からでも起動できる。

 設置するアプリケーションサーバの台数が増えた場合、負荷に応じて処理サーバを分散する2Xロードバランサーを組み合わせて利用できる。記者会見で事業概要を説明した営業グループ・システム企画グループ マネージャーの中村安夫氏は「既存のPCを、そのままシンクライアント化できる。専用ハードウェアの導入が不要で初期コストが安く抑えられる」と説明。2Xアルファ・ソリューションズでは業種を問わず幅広く販売を進める方針だが、「小さな自治体やSOHOでも十分に導入できる低コストが2Xの特徴の1つ」(中村氏)という。2Xはシトリックスやマイクロソフトといった他社のシンクライアント製品と混在させて使うこともできるため、既存の他社システムに対して2Xロードバランサーだけを適用することも可能だ。

 2Xシンクライアントサーバーは、既存PCでCD-ROMやUSB、ネットワークイメージから専用OS「2X OS」をブートすることで利用するためのサーバ製品。クライアントにサーバ上のデータをダウンロードすることができないため高いセキュリティが実現できるという。

 2Xソフトウェアは、Windows 2003 Serverのリリース以降に開発が始まった製品で、「(先行の他社製品と異なり)OSの機能を最大限利用できる後発の有利さで、ミドルウェアとして実装している。開発コストが抑えられたことで、2Xソフトウェアは他社製品と比べて6〜8分の1の価格」(古海氏)という。1000台のクライアントに対して3製品を導入した場合、ライセンス料は約2160万円(36カ月の利用で1台当たり600円)。100台の場合、ライセンス料は約342万円(36カ月の利用で1台当たり950円)。

 2Xアルファ・ソリューションズは、法人向けにIT機材やオフィス機器を販売するWCLグループ(WCL東京、WCLソリューション)の持株会社であるWCLホールディングスの100%子会社として設立された。資本金は500万円。

(@IT 西村賢)

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