パッケージは低調

電子コミックが読まれている――「デジタルコンテンツ白書 2007」

2007/08/08

 財団法人デジタルコンテンツ協会は8月8日、「デジタルコンテンツ白書 2007」を8月9日に発刊すると発表した。白書によると、2006年の国内デジタルコンテンツ市場は前年比8.3%増の2兆7699億円。パッケージコンテンツが年々縮小している中、インターネット配信コンテンツや携帯電話向けコンテンツが堅調に伸びている。

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 白書によるとパッケージで流通するコンテンツが全体に占める割合は67.5%で圧倒的。インターネット配信は16.7%、携帯電話流通は15.9%となっている。しかし、パッケージ流通は縮小傾向にあり、白書は2007年は64.1%に減少すると見ている。

 パッケージコンテンツではDVDやCDの販売のほか、PC用ゲームソフトが減少した。DVD販売は18.7%の減少、CD販売は3.6%減った。対してインターネット配信では映像が15.7%の伸び、音楽は33.3%増えた。オンラインゲームも23.6%の増加で、パッケージコンテンツとの勢いの違いが際立っている。

 インターネット配信、携帯電話向け配信の中で特に伸びているのが電子書籍だ。インターネット配信の電子書籍は69.7%の増加、携帯電話向けは331.3%のアップだ。デジタルコンテンツ協会は「電子書籍市場ではこれまで文芸系の作品が中心であったのに対し、電子コミックが数多く発表されるようになっており、急速に拡大している」と説明。「今後は、電子コミックが電子書籍市場をけん引するものとみられる」と指摘している。

 白書はデジタルコンテンツ市場は2007年も成長し、市場規模は3兆663億円(前年比10.7%増)に達すると予測している。

(@IT 垣内郁栄)

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