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デルのITストラテジストが講演

Vista登場でLinuxデスクトップが伸びる説

2007/08/10

 年次イベント「LinuxWorld Conference & Expo」で、デルのITストラテジストであるコール・クロフォード氏が、「Linuxデスクトップ――現実かFUDか、はたまたファンタジーか?(The Linux Desktop-Fact, FUD or Fantasy?)」と題する講演を行った。同氏いわく、「Windows Vista」は、Linuxデスクトップがマーケットシェアを得るための唯一最大のチャンスを生み出したのかもしれないという。

 例えば、多くの企業がVistaを導入したあとでWindows XPに戻っているとクロフォード氏は話し、起業家であり、セントルイスのワシントン大学助非常勤講師でもあるスコット・グラネマン氏の次のような言葉を引用した。「Linuxマシンにうんざりしたいなら、それで仕事をしてみろ。Windowsマシンに幻滅したいなら、それを導入してみろ」(グラネマン氏)

 マイクロソフトはすでに15年以上もデスクトップ市場を支配しており、「したがって今後は落ちていくしか道は残されていない。反対に Linuxは上昇するだけであり、成長の可能性は膨大だ。デスクトップ市場におけるシェアがわずか1%のLinuxに対し、マイクロソフトは90%超を確保しているが、状況は変わりつつあり、2年間以内にLinuxのシェアは拡大すると考えられている」と、クロフォード氏は述べた。

 Evans Dataの最近の発表によれば、Windowsを対象にしている開発者の数は2006年に12%減少し、同時期にLinuxを対象にした開発者は34%増加したという。

 また、ノベルやXandros、LinspireといったLinuxベンダとマイクロソフトが結んだ互換性に関する提携は、これまでのところよい結果につながっており、特に、Linuxカーネルの大部分を企業組織が製作するというモデルに移行した点は大きく評価できると、クロフォード氏は指摘した。

 さらに同氏は、実際には誰もLinuxカーネルを所有していない状態がSLA(Service-Level Agreement)の実現をより困難にしている事実を、マイナス面として挙げた。マイクロソフトはクライアント市場で15年間におよぶ優位を保っており、大半の企業がオペレーティングシステムにWindowsを使うことに満足しているが、Linuxデスクトップ市場にISV(独立系ソフトウェアベンダ)およびIHV(独立系ハードウェアベンダ)のエコシステムが創出されるにはまだ時間がかかると思われる。

 とはいえ、1ベンダに依存する時代は終わりを告げた。マイクロソフトがオープンソース開発コミュニティに接近している事実からも、同社がその重要性を認識していることがうかがえる。Linuxデスクトップは、あらゆる層に適しているとはまだ言えないが、数を確実に伸ばしていると、クロフォード氏は述べた。

 同氏によれば、企業向けデスクトップは、ビジネスユーザーに焦点を絞り、社内規定に準拠し、互換性およびセキュリティに配慮して、エンタープライズカーネルやリモート管理機能の搭載、さらには標準化されたアプリケーションのインストールを行っておく必要があるという。

 「Linuxデスクトップには、これらすべてが可能だ。同OSの旧バージョンと互換性があるし、Windowsとも基本的に連係できる。エンタープライズカーネルを搭載でき、既存の管理ソリューションを使ってのリモート管理も可能だ」(クロフォード氏)

 Linuxデスクトップ躍進の原動力となっているのは、イノベーションと自由性、さらにはWindowsに対するユーザーの不満だと、クロフォード氏は言う。また、Windowsとは異なり、Linux開発コミュニティはLinux技術そのものに影響を及ぼし、方向性を与えていくことができ、いまではシンクライアント上でもスムーズに機能するようになった。

 もっとも、ソフトウェアのパッケージ基準を確立するという大仕事が残っており、そのうえ、プリンタやオーディオなどに必要なドライバをLinuxに対応させることもきわめて重要だ。「異なるディストリビューションを、共通のリリースサイクルに乗せていくことも必要だ」(クロフォード氏)

 レジストリを持たず、実行する際に許可が必要になるファイルだけで構成されているLinuxは、Windowsよりはるかに安全だと、同氏は主張している。しかも、クロフォード氏がWindowsコンポーネントの中で「ActiveX」に次ぐ害悪と言い切っている「DLL」も存在しない。

 クロフォード氏は、今日のLinuxは企業デスクトップとして使用するのに十分な能力を備えているが、ほかの技術と同様、完璧を追い求める必要はないと述べ、マイクロソフト環境であっても、Linuxディストリビューションを業務用オペレーティングシステムとして使用することはすでに可能だったと付け加えた。

 「今年は、互換性に優れたLinuxデスクトップの年になる。ドライバのサポートがLinuxデスクトップの成功を左右すると思われるが、標準化によって普及はさらに加速するだろう。標準化と相互運用の推進が大幅に進む可能性は、非常に大きい」(クロフォード氏)

 それでもLinux業界は現在、UNIXの二の足を踏むことになるのか、あるいは統合と普及の路線を行くかという岐路に立っているという。「他者との差別化を図りたい場合は、Linuxの勝利が見え始めてからにしてほしい。いま、われわれに何より必要なのは、一致団結することなのだ」(クロフォード氏)

原文へのリンク

(eWEEK Peter Galli)

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