100以上の機能強化

Ajaxでクラサバ並みの操作性、Siebel CRM On Demand最新版

2007/08/20

 日本オラクルは8月20日、SaaS型CRMアプリケーションの最新版「Oracle Siebel CRM On Demand Release 14」を提供開始したと発表した。100以上の機能を強化。特にインターフェイスの改善とアーキテクチャの変更に力を入れた。

 インターフェイスの改善ではAjax技術を導入し、Webブラウザ上での操作性を向上した。編集画面に移動しなくても閲覧画面内でデータの入力、修正ができるインラインエディットに新たに対応。選択するプルダウンメニューの内容によってリスト表示内容が変化するカスケードピックリストも可能にした。日本オラクルの執行役員 アプリケーションビジネス推進本部長 藤本寛氏は「Ajaxによってクライアント/サーバ環境に近いユーザービリティを提供する」と話した。

oracle01.jpg 日本オラクルの執行役員 アプリケーションビジネス推進本部長 藤本寛氏

 アーキテクチャの強化では、オラクルが持つグリッド技術を生かして、SaaSの提供インフラをユーザーごとに論理的に分割する「セキュア・マルチテナント」を用意する。これまでのSiebel CRM On DemandのSaaSインフラは「物理的にも、論理的にもユーザー環境が混在していた」(藤本氏)。つまり1つのITインフラ内に複数のユーザー環境が同居している「マルチテナント」だった。ユーザーごとのITインフラを用意しないことで、低価格でサービスを提供できるというメリットがマルチテナントにはある。しかし、パフォーマンスや運用スケジュールなどで融通が利かないというデメリットもあった。

 セキュア・マルチテナントは仮想化技術によってユーザーが同居するITインフラを論理的に分割し、ユーザー環境が相互に影響を受けないようにする。藤本氏は「ユーザーに合わせたチューニングや運用が可能になる」と説明した。セキュア・マルチテナントは従来型のマルチテナントとは別メニューで提供する。

 Release 14は国内46カ所、海外20カ所でホテルを運営するJALホテルズが採用を決めている。同社の法人営業支援アプリケーションとして利用し、ホテル間の情報共有に活用する。

 Release 14は1ユーザー当たり月8750円で提供。セキュア・マルチテナントの場合は1ユーザー当たり月125ドルの予定。

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(@IT 垣内郁栄)

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