クライアントサイドもJavaで開発

米グーグル、OSSのAjaxフレームワーク最新版を公開

2007/08/29

 米グーグルは8月28日(現地時間)、Ajaxを使ったWebアプリケーションの開発フレームワーク「Google Web Toolkit 1.4」(GWT)の正式版をリリースした。Windows、Mac OS X、Linux版が無償でダウンロードできる。GWTはバージョン1.3からApacheライセンスで配布されており、オープンソースプロジェクトとしてグーグルを中心に開発が続けられている。

 GWTはJavaを使ってAjaxアプリケーションを開発するフレームワーク。EclipseやJava VMなど、一般的なJava開発環境を使って開発したアプリケーションを“コンパイル”することでクライアントサイドのJavaScriptとHTMLに変換する。GWTを使うことでブラウザごとの挙動の違いを吸収できるメリットがある。また、弱い型付けやプロトタイプ的オブジェクト指向など、開発規模が大きくなるに従って問題となるJavaScriptの持つ特性を回避できる。

新バージョンは“狂ったように速い”

 新バージョンではウィジェットやライブラリが追加、強化されたほか、パフォーマンスが大幅に改善された。未使用のコードをコンパイル時にスキップしたり、複雑なコードを自動的に結合してシンプルにすることで、従来バージョンと比較して、生成されるコードの量が30%程度少なくなるという。小型化と合わせ、ブートストラップ手法の改善、複数画像をまとめて1度のHTTPリクエストで転送するイメージ・バンドル、HTTPキャッシュアルゴリズムの改善により、実行速度は20〜50%速くなるという。GWT開発チームのブルース・ジョンソン氏はブログの中で、サンプル実装として公開されているWebメールアプリケーション(リンク)は「一番最初に開いたときにも、すごく速いけど、その後に続けて開くと狂ったように速い」としている。

gwt01.png GWT1.4を使ったWebメールアプリケーションの実装例。動作は軽快だ

(@IT 西村賢)

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