OS事業へのコミットメントも改めて表明

wizpyで実現、低コストなシンクライアントシステム

2007/08/29

 ターボリナックスは8月29日、クライアント端末として「wizpy」を活用した企業向けシンクライアントシステム「wizpy Style Secure Solution」を発表した。

 wizpy Style Secure Solutionは、USBメモリで起動できるOS/クライアント環境「wizpy Style TC703」に、2Xアルファ・ソリューションズが提供するシンクライアントソフトウェア「2X ソフトウェア」を組み合わせた、画面転送型のシンクライアントシステムだ。WebブラウザやMicrosoft Officeをはじめとするアプリケーションはすべて「wizpy Style Secure Server」側で動作し、クライアント側には画面情報のみが伝えられる。また、MicrosoftのターミナルサーバやCitrix Presentation Serverなど、ほかのシンクライアントシステムと連動させることも可能という。

wizpytc01.jpg

 特徴は、低コストでの導入が可能なことだ。「情報漏えいに対する1つの解決策がシンクライアントだ。しかし、いまひとつイメージがわかないうえ、ハードウェア先行で専用端末が必要とされ、既存の資産を破棄しなければならない点がネックになっていた」(同社wizpy事業部部長の中尾貴光氏)

 これに対しwizpy Style Secure Solutionでは、既存のPCやファイルサーバをそのまま利用できる。ライセンス価格は、10クライアント/1サーバの基本構成で46万1650円だ。すでに大洸ホールディングスグループが、200クライアント規模での導入を決定している。

 wizpy Style TC703自体さえ持ち運べば、社内の端末だけでなく、自宅などのPCでも接続できることもメリットという。今後は、ログイン認証を強化する指紋認証デバイスとの連携などを実現していく方針だ。

 ターボリナックスは同時に、OSそのものに対するコミットメントも改めて表明した。今後は、サーバ向けOSとデスクトップOSを、それぞれ24カ月サイクルで定期的にリリースする方針だ。また、LinuxカーネルおよびドライバやX Window System、Glibc/Gccといったコアコンポーネントは、バージョンごとに共通のものを用いていく。

 最初のステップとして、2007年11月末をめどに、サーバOSの新バージョン「Turbolinux 11 Server」(仮称)をリリースする。Turbolinux 11 Serverは、LAMP/LAPPに特化する形でチューニングを施しており、特にPHPアプリケーションのパフォーマンス向上が見込まれる。また「Zend Core」などのゼンド製品や負荷分散を実現する「Cluster LoadBalancer」を組み入れて提供される予定だ。

 同社技術本部本部長の高橋功至氏は「ターボリナックスはもうOS事業をやらないのではないかという声もあるけれど、決してそうではない」と述べ、新たなサポートポリシーを通じて、OSを安心して使える環境を整えていきたいとした。

 なお新たなメンテナンスポリシーでは、メンテナンス期間はサーバ製品については発売開始より5年間もしくは次期バージョン発売から3年間、デスクトップ製品は発売開始より3年間もしくは次期バージョン発売から1年間となる。これに伴い、既存製品の「Turbolinux FUJI」「Turbolinux 10 Server」の無償保証期間をそれぞれ1年間延長する。

関連リンク

(@IT 高橋睦美)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)