SAPやオラクルとは違うものを提供していく

今後注力するのはランジェリーや靴!? 〜ローソンソフトウエアCEO

2007/08/31

 ローソンソフトウエア ジャパンは8月31日、報道関係者向けの説明会を開催し、米ローソンソフトウェア 社長兼CEO ハリー・デイビス(Harry Debes)氏が同社の業績や今後の方向性などを説明した。

デイビス氏写真 米ローソンソフトウェア 社長兼CEO ハリー・デイビス氏

 ローソンソフトウエアは2006年5月にインテンシアと合併し、大きく変化したという。2007年度(2007年5月31日まで)の財務実績は、収益(非会計基準)が7億6100万ドルで、四半期ごとの収益と営業利益が連続して増加した。顧客数は、アジア太平洋地域で約400社。日本には70社で、日系企業と外資系企業で半々だという。

 また、2007年度にはBIツール「Global Business Intelligence」や「M3 7.1テクノロジ」「Smart Client」をリリースした。特に特定業界向けテンプレートである「Smart Client」に注力しており、テンプレートを採用することによって、30〜40%の時間とコストを削減できるとした。

 サポートも強化した。300名のコンサルタントを採用したほか、300名のサポート要員を確保。加えて、フィリピン・マニラにリモートサービスや開発を行うグローバルソリューションセンターを開設。同センターには現在450名の正社員がおり、毎月30〜40名の従業員を採用中だとした。パートナー企業の充実も図っており、現在200社のパートナー企業を展開しているほか、米IBMと締結している再販契約は、ヨーロッパにも拡張される可能性があるという。

 そして、2007年6月に始まった2008年度についてデイビス氏は「SAPやオラクル、マイクロソフトなどERP業界トップ企業とは違ったものを提供していく」とコメント。具体的には、新しい業界に手を広げるのではなく、現在同社が特化している製造や流通/小売、サービスプロバイダなどの業界をさらに付加掘りしていくとした。例えば、旧インテンシアが得意だったファッション業界の場合、今後はさらにファッション業界を細分化し「ランジェリー」や「スポーツウェア」「シューズ」「アパレル製造」に特化したサービスを提供していく。

 製品構成は、旧インテンシアの「M3」と旧ローソンソフトウエアの「S3」の2本立てを維持。「今後もM3とS3でいく。よく『2製品を統合しないのか?』と聞かれるが統合するつもりはない。S3は日本語対応していないが、早急に対応していきたい」(デイビス氏)とした。

 デイビス氏は2008年の目標について、「今後もシンプルさと親密さを追求していく。巨大企業であるマイクロソフトやオラクルのCEOは個別顧客の様子にまで気を配ることはできないだろう。だが当社であれば可能だ。今後もユーザーとの親密度を強化していく。2008年度には、収益8億2000万〜8億3000万ドルを目指す」と語った。

 なお、ローソンソフトウエア ジャパンは同日、製造・流通向けERPの最新バージョン「LAWSON M3 7.1」と、ファッション業界向けテンプレート「LAWSON QuickStep Fashion」をリリースした。デイビス氏はこれら製品の特徴として「ERPはケースによって値段が変わるので一概にはいえないが、他社製品に比べて、30〜40%のコストは削減できるだろう」と語り、自信を見せた。

(@IT 大津心)

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