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ネットマークス買収のシナジーは? ユニシスグループがICT事業で連携強化

2007/09/06

 ネットマークスは9月6日、ICT(Information&Communication Technology)基盤構築ビジネスに関し、ユニアデックスおよび日本ユニシスとの連携を強化することを発表した。2006年末から2007年にかけて、「PowerWorkPlace」という新ブランドの下、Webサービスを組み合わせた企業向け製品を投入し、3年後には現在100億円規模の売り上げを、倍の200億円にまで広げる計画だ。

 ネットマークスはこれまで、「Cisco Unified CallManager」を中心とする米シスコシステムズの製品を用いたIPテレフォニーシステムの構築で実績を積んできた。一方ユニアデックスは、無線LANを活用し、1台の端末で内線電話と携帯電話を利用できるモビリティソリューション「AiriP」を展開している。また「Microsoft Office SharePoint Server」や「Live Communications Server」といったマイクロソフト製品を活用したシステム構築にも強い。

 PowerWorkPlaceは、こうした両社の強みを組み合わせたソリューションだ。シスコ製品を中核としたユニファイドコミュニケーションインフラに、マイクロソフトのコラボレーション製品群を組み合わせ、両者をスムーズに連携させるためのWebサービスやポータルサイトとともに提供していく。

 このWebサービスでは、メールやスケジュールの同期にはじまり、Officeや業務アプリケーション上でのクリックツーコールや検索サービスなどが利用できる。将来的には、音声認識を用いて名前を検索し、そのまま電話を掛けるといった機能を提供し、「どの現場にいようと、どんなデバイスを用いていようとシームレスに企業ネットワークにアクセスし、コミュニケーションできる環境を提供していく」(ネットマークス副社長の佐藤宏氏)

ntm_uni02.jpg ユニアデックスの常務執行役員、角泰志氏

 PowerWorkPlaceではまた、コンサルティングや設計、構築にはじまり、保守、運用やヘルプデスクに至るまで、一連のサービスも提供する。ユニアデックスの常務執行役員、角泰志氏は、「マルチベンダー環境に対して、サーバなどの情報システムと通信系をワンストップで見ていくフルラインサービスを提供できる」と述べた。

ntm_uni01.jpg ネットマークス副社長の佐藤宏氏

 なお、ネットマークスは住友電気工業(住友電工)傘下のネットワークインテグレータだったが、日本ユニシスの株式公開買い付け(TOB)を受け、2007年6月より同社のグループ会社となっている。

 日本ユニシスの代表取締役社長、籾井勝人氏は「(ネットマークス買収による)シナジー効果はいったいどう出てくるんだ、と言われてきたが、今回の協業により、システムインテグレーションとネットワークインテグレーションを統合し、顧客ニーズにマッチしたものを提供できる体制が整った。今後も3社のシナジーを生かした共同作業は増えてくるだろう」と語った。ただ同時に、その成果が出てくるにはそれ内の時間がかかるだろうとも述べている。

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