Webレピュテーション機能を個人向けにも提供

「Webの脅威に対抗」、ウイルスバスター2008発売へ

2007/09/11

trend01.jpg 10月26日発売予定のウイルスバスター2008

 トレンドマイクロは9月11日、コンシューマ向け総合セキュリティソフトの最新版「ウイルスバスター2008」を10月26日に発売すると発表した。オンライン販売は先行して10月19日に開始する。価格は1年版が5980円、3年版が1万2800円など。ダウンロード版は1年版は4980円、3年版が1万1800円など(価格はいずれもオンラインショップのもので税込み)。Windows XP Home Edition/Professional SP2、64ビット版を含むWindows Vistaの各バージョンに対応する。新規とバージョンアップで800万ユーザーへの販売を見込む。

 Webサイトに潜む脅威に対抗するため、新たに「Webレピュテーション技術」と「不正変更の監視機能」を搭載した。Webレピュテーション技術は、接続先ドメインの評価情報を参照してアクセスの安全性を示す機能。Webレピュテーション機能は、URLフィルタリング機能と連携して悪意のあるWebサイトのページをブロックするほか、検索サイトでの検索結果に含まれるWebサイトを安全度によって色分け表示するTrendプロテクト機能など、従来ブラックリストによる判定だけだった機能についても利用する。地域特化型の脅威に対応するために、日本国内では東京・新宿に「リージョナルトレンドラボ」を設置し、脅威となるWebサイトに関するデータベースを充実させる。評価基準としてサーバの登録年月日や安定性なども考慮。登録年月日が新しすぎたり、IPアドレスが頻繁に変更されるWebサイトは悪意のあるサイトの特徴として捉える。

trend03.png 検索サイトで表示されるWebサイトの安全性をWebレピュテーション機能と連携して色分け表示するようになったTrendプロテクト機能

 不正変更の監視機能は、OSのシステム領域を常時監視し、疑わしいプログラムがシステム領域を改変する前に検出し、ポップアップメッセージを出してユーザーに注意を喚起する。これまでのバージョンでは変更が行われたことを検出することができるだけで、事前検出まではできなかった。

trend02.jpg トレンドマイクロ 日本代表 大三川彰彦氏

 Webレピュテーション機能は、7月に企業向け製品に搭載して提供済みのものと同等で、2005年に買収した米Kelkeaが開発したもの。トレンドマイクロ 日本代表の大三川彰彦氏は、イタリアで6月に起こった1000以上の正規サイトが書き換えられた大規模な改ざん事件を例に挙げ、「ついさっきまで正規のWebサイトだったものが、脅威の潜むサイトになることが起こる。そのためのWebサイト改ざんツールが闇の世界で売買されている」と、これまでのシグニチャ方式による検出や、ブラックリストベースのフィルタリングだけではWebの脅威に対抗でず、補完する機能が必要になっていると語った。

 このほかの変更点として、画像を使った迷惑メールに対応したスパムフィルタや動作速度の向上などがある。ウイルス、スパイウェア、ルートキットの検出エンジンを統合することでメモリ使用量を50%削減し、動作を軽くしたという。

(@IT 西村賢)

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