最新版「PostgreSQL 8.2」にも対応

障害対応時のまだるっこしいやり取りを省くPowerGres新版

2007/09/13

 SRA OSS日本支社は9月13日、オープンソースのデータベースソフトウェア「PostgreSQL」をベースにした独自パッケージ製品「PowerGres」シリーズを強化した。新たに、最新版であるPostgreSQL 8.2に対応した「PowerGres on Windows V5」「PowerGres on Linux V5」および「PowerGres Plus V5」をリリースしている。

 V5シリーズでは、「より使いやすくするために、オリジナル管理ツールの機能を大幅に強化した。また、『障害発生時にすぐ対応してほしい』という要望に応え、迅速にサポートを受けられるようにしている」(SRA OSS日本支社マーケティング部長の稲葉香理氏)

 具体的には、これまでPowerGres on WindowsとPowerGres on Linuxとで別々だった管理ツールのインターフェイスを統合し、より直感的に利用できるようにした。

 また、障害対応に必要なさまざまな情報をボタン1つで収集できる「サポートアシストツール」を実装している。これにより、一刻でも時間の惜しい障害対応時に、顧客とSRA OSSの担当者との間で「このコマンドを実行してその結果を知らせてください」といった冗長なやり取りを経ることなく、迅速にログやプロセス、メモリなどの動作状況をはじめとする情報を集め、原因の切り分けと対処につなげることが可能という。

 一方、ミッドレンジ向けのPowerGres Plus V5では、アーキテクチャを若干見直してアドイン形式を採用することで、PostgreSQLとの親和性を強化した。同時に、アーカイブログの二重化やディスク異常検出機能を追加し、データベースそのものの信頼性向上を図っている。また、PostgreSQLが備えるオンラインバックアップ機能「PITR(Point In Time Recovery)」を手軽に利用できるようにした。そのままではやや操作が困難だったPIRTの設定だが、管理ツールを用いれば3ステップで行えるという。

 税込み価格は、PowerGres on Windows V5/PowerGres on Linux V5が5万400円、初年度年間サポート付きの場合は13万4400円。PowerGres Plus V5は1CPU年間サポート付きで23万9400円となる。いずれも10月10日より出荷が開始される。

 同社は同時に、NTTデータが2007年4月に公開した「PostgreSQL認証版」に、SRA OSSによるサポートを組み合わせた新パッケージ「PowerGres+Security」も追加している。

 「商用データベースに比べ、オープンソースのデータベースで足りないとされている機能がセキュリティだ」(稲葉氏)。ISO/IEC 15408認証取得済みのPostgreSQL認証版を採用することで、個人情報など重要なデータ扱う分野にリーチを広げていきたいという。PowerGres+Securityの価格は21万円(税込み)。

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(高橋睦美)

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