理研などが共同開発

次世代スパコンはスカラとベクトルの二刀流

2007/09/14

 理化学研究所は9月14日、2010年度に稼働を目指す次世代スーパーコンピュータの構成を発表した。スカラ部とベクトル部で構成する複合型が特長。幅広いアプリケーションに対応すると同時にこれまでのアプリケーション資産の活用にも役立てる。

 開発は理研と富士通、NEC、日立が共同で行う。10ペタフロップス級を実現し、LINPACK性能(行列計算による連立一次方程式の解法プログラム、Top500リストのベンチマークとして使用される)だけでなく、アプリケーションの実行でも世界最高性能を目指す。45ナノ半導体プロセスや光インターコネクトなどの先端技術も盛り込む。

 コンピュータはスカラ部とベクトル部の複合構成。スカラ部ではデータ処理系、粒子系などの計算アプリケーションを実行。ベクトル部では画像処理系、大容量メモリ計算などの計算アプリケーションをさせるなどの使い分けを可能にする。また、スカラ部とベクトル部の両方を使うことで多階層問題やOn-the-fly処理など、将来の主流になると考えられる複雑系シミュレーションを効果的に行えるようにする。

 次世代スパコンは神戸市に設置し、2010年度稼働、2012年度完成の予定。

riken01.jpg 次世代スパコンの構成(理研資料から)

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(@IT 垣内郁栄)

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