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ガートナーが予測

「2010年、商用ソフトの8割がオープンソースを利用」の意味

2007/09/21

 米ガートナーのリサーチ担当副社長を務めるマーク・ドライバー氏によると、2010年までには、業務用ソフトウェア製品の80%以上にオープンソースコードが含まれるようになるという。

 ドライバー氏は9月19日、現地で開催された年次イベント「Gartner Open Source Summit」で、「The Gartner Open Source Scenario for 2007:The risks and rewards for mainstream IT」と題した基調講演を行った。同氏は講演の中で、「(ガートナーは)オープンソースはライセンスによって明確に定義されるものだと考えている。われわれの顧客も、大半がオープンソースポリシーの作成に躍起になっているが、いまだ確立できていない企業がほとんどだ」と語った。

 オープンソースソフトウェアの導入を社内で密かに進める風潮は下火になり、今日の企業は、オープンソースソフトウェアを既存のソフトウェア資産管理の戦略と絡めて運用していく必要に迫られていると、同氏は述べている。

 「これは確かに新しい傾向といえるが、すべてが変わったわけではない。無視できないほど存在感を増したオープンソースソフトウェアに関しても、これまでのような導入ポリシーを適用しなければならなくなったということだ」(ドライバー氏)

 同氏は現在のオープンソースソフトウェアについて、十分に使い勝手がよく、さまざまな分野で主流の(ソフトウェアの)代替となる力があり、理想ではなく現実に即したものになりつつあると評価し、普及段階とも言える第3期が始まったと説明している。「オープンソースは、ほかのものに進出を阻まれていた段階から、ソフトウェア業界とともに進化していく段階へ入った」(ドライバー氏)

 ちなみに、第1期は感情や興味、無関心などを中心に回っていた時代で、第2期はリアリズムが追求されるようになった時代だったという。

 さらにドライバー氏は、現在のオープンソースは断片化が進んでおり、何かと物議をかもしているが、こうした状況が生まれたのは、オープンソースに特別な欠点や弱点があるからではなく、単に現実が残酷なものであるからだと主張した。オープンソースの生態系は、自然淘汰の法則に従っている。すなわち、競争力の弱いものは排除され、多様性を保つために専門化が奨励されているというのだ。

 「断片化していく、もしくは断片化する可能性があるというのは、オープンソースにとっては脅威ではなく、自然の流れだ。これによって、業界の競争は保たれている。ベンダーは、何か失敗をやらかし、ユーザーのニーズを満たせなければ、自然淘汰され、他者に取って代わられることをよく理解している」(ドライバー氏)

 オープンソースが、すなわち質の高いコードや、プロプライエタリもしくは自社開発したソフトウェアに勝るTCO(Total Cost of Ownership)を意味するのではないと、ドライバー氏はいう。「もしそうだと考えているなら、失望する羽目になるだろう。なぜなら、オープンソースはそうしたものと常に同義ではないからだ。優れたオープンソースもあれば、駄目なオープンソースもある」(ドライバー氏)

 Linuxやオープンソースを、末端ではなく重要なアプリケーションに採用するユーザーが増えているため、オープンソースはもはやメインストリームといっても過言ではないものになったと、ドライバー氏は指摘している。非ミッションクリティカル分野およびミッションクリティカル分野でオープンソースが利用されている割合は、プロプライエタリソフトウェアもしくは社内開発ソフトウェアの使用率とほぼ同じところまで来ているという。

 今後の予測としては、これから2012年にかけて、オープンソースの採用パターンにさまざまな変化が現れるだろうと、同氏は話した。例えば、コストとリスクが採用を決める最大の動機となり、柔軟性および独立性は2番目になると考えられる。2007年におけるオープンソース採用理由の1番目と2番目は、これとは逆だった。

 また、オープンソースソフトウェア開発コミュニティに、拡大と分裂の傾向が見られるという。開発コミュニティは2011年までに、1つのモデルを維持することを目指すタイプと、複数のゴールに向かい、結局は重複のほとんどない2つのモデルを生み出していくタイプに分かれると、ドライバー氏は予想している。

 「どのコミュニティがどちらの道を行くのかは分からない。ただ、変化は必ず起こる。すでにその一端は始まっており、これからも続くと思われるが、そうした変化がどのような結果につながるのかは、まだはっきりしない」(ドライバー氏)

 ドライバー氏は、UNIXベースの「AIX」オペレーティングシステムに巨額を投じてきたIBMのような企業がLinuxに肩入れするのは、そうすることで2社の手強いライバル企業、つまりはサン・マイクロシステムズとマイクロソフトにダメージを与えられるからだと話した。「サンは最近になって方針を変えたが、マイクロソフトはいまでもLinuxに苦しめられており、それがIBMをLinuxに向かわせている」(ドライバー氏)

 企業がソフトウェアを独自開発するより、オープンソースを採用した方が、全ソフトウェア市場に与える影響は大きくなるという。ドライバー氏は、このところ登場してきた、完全なオープンソースでも完全なプロプライエタリでもない、「ソース保護型(gated-source)」ソフトウェアを例に挙げた。

 企業がOSSの採用を決める際には、次の4点を考慮していると、ドライバー氏は話す。すなわち、自分たちに必要な仕事ができるのか、許容範囲内のリスク/リワード戦略を実現できる程度に成熟したプロジェクトであるか、ユーザーの技術採用歴はどうなっているが、オープンソース製品をどのように配置すれば良いのか、という4点だ。

 ドライバー氏は、オープンソースを実際に取り入れていく潮流は止まらないと結論している。「OSSの評価基準を設定するとともに、これを導入し、保守管理していく手順も決める必要がある。いまやオープンソースは、特殊な技術でも一時的な流行でもなく、これからも存在し続けるであろう主流派になったのだ」(ドライバー氏)

原文へのリンク

(eWEEK Peter Galli)

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