「環境発電」で自律メッシュ・ネットワーク構築

配線やバッテリが不要な無線ネットワーク向けチップ

2007/10/02

 蘭グリーンピーク・テクノロジーは現地時間の10月2日、電力線やバッテリーなしで作動可能な超低消費電力無線センサおよびコントローラ・ネットワーク製品群を発表した。IEEE 802.15.4およびZigBeeアライアンスの標準規格に対応する。

greenpeak01.jpg グリーンピークが最初に提供する通信モジュール「ライム・モジュール CM-08」。5センチ角。10万個ロット時、21ドル。

 デバイスが置かれた環境で発電する「環境発電」を採り入れたことで電源不要を実現した。利用するのは外部の光、デバイスの動き、振動などで、太陽電池や圧力変化を電気にするピエゾ電気トランスデューサを用いるほか、環境の電磁界の変化も電気に変換するという。環境発電器の状態をモニターし、生成されたエネルギーを最大限に利用するためのパワーマネジメント回路を開発したことで、信頼性の高いバッテリ不要の使用環境を実現するという。

 グリーンピーク・テクノロジーは、オランダのザナドゥ・ワイヤレスと、ベルギーのユビウェーブが2007年7月に合併して設立された。ユビウェーブは無線メッシュプロトコルを開発した。今回発表された製品でも、配線なしに広範囲なセンサーネットワークの構築を可能にするメッシュ技術が採用されている。各通信モジュールは他の通信モジュールに対してリピータとして機能するほか、メッシュ・ネットワーク全体では、セルフ・ヒーリング、セルフ・フォーミング機能を備えるという。

 グリーンピークのCEO、ケース・リンクス(Cees Links)氏は発表文の中で、「無線センサーネットワークの本当の強みは、通信配線と電力配線を取り除くときに初めて、その真価が分かる。グリーンピーク社のみが、真のバッテリー不要の機器開発ビジョンのもと、通信や電力配線を必要としない無線通信ソリューションを提供できる」と述べている。

(@IT 西村賢)

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