富士通、ソフトウェア開発への取り組み

ソフト開発の構造的な問題を解消、富士通の“ものづくり革新”

2007/10/12

 富士通は10月12日、ソフトウェア開発に内在する構造的な問題の解消を目的に、設計段階と生産段階の作業工程の見直しを行うと発表した。同社では、技術のイノベーションだけでは(ソフト開発の)構造問題は解消できないとし、各工程のプロセスを改善することで、問題の解決を図る。

富士通写真 富士通 経営執行役 生産革新本部長 宮田一雄氏

 設計段階では、要件定義書および、外部設計書などの設計書の第三者レビューを義務化し、ドキュメント品質の向上を目指す。特に一定規模以上(同社では3億円以上と説明)の開発案件では、要件定義の内容監査を徹底する。

 通常、要件定義書は顧客が作成し、それを基に富士通が要件の仕様化(外部設計書の作成)を行う。顧客の要件定義書を富士通内で監査し、提言を施すことで、スムーズな仕様化につながる高品質な要件定義書を作成することを支援する。同社では監査のためのチェック項目を標準化し、案件ごとに適用する方針である。

 ソフトウェア開発の上流工程に従事するスタッフの育成にも力を入れる。顧客のニーズを抽出・分析し、本質を捉えた業務要件を定義する「ビジネスアーキテクト」を3年間で300人育成する予定。ビジネスアーキテクトは、コンサルティングと上流システムエンジニアをつなぐ役割を果たす。

 生産段階(開発段階)では、アプリケーションの方式、開発のプロセス、設計書の書き方などの標準化を行うなど、「型決め」を徹底させることで、開発作業の工業化を目指す。2004年に富士通アプリケーションズというJava、EJBの開発専業会社を設立し、同社の統システム開発体系「SDAS」を全面的に適用した生産方式を構築、富士通グループへの展開を行っている。

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(@IT 谷古宇浩司)

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