非SAP ERPユーザーへのエントリソリューションにしたい

SAP、他社製品とも連携できるID管理製品リリース

2007/10/23

 SAPジャパンは10月23日、アイデンティティ(ID)管理ソフトウェアの新製品「SAP NetWeaver Identity Management」(以下、Identity Management)の提供を開始したと発表した。SAP製品のID管理だけでなく、他社製品のID情報も一元的に管理できる点が特徴だ。

桐井氏写真 SAPジャパン バイスプレジデント GRC事業開発室 室長 桐井健之氏

 Identity Managementは、SAPが2007年5月に買収したMaXwareの製品をアレンジしたもの。SAPジャパン バイスプレジデント GRC事業開発室 室長 桐井健之氏によると、「当社では、従来よりSAP ERPにおいては“ロールベースの権限設定”などを、SAP GRC Access Controlでは“職務分掌リスク分析”や“監査やコンプライアンス対応”などの権限管理機能を提供していたが、SAP以外のシステムが混在する環境下や、複数のID管理システムを有しているためのメンテナンスコストの増大など課題も多かった。それを解決するのがIdentity Managementだ」と説明した。

 Identity ManagementはSAP ERPだけではなく、他社CRM製品やSCM製品のID情報を取得・同期して一元的に管理することが可能になる。具体的には、人事管理データやレガシーシステム、ExchangeなどのID情報を、Identity ManagementのDBともいえるセントラルIDストアに集めて集中管理する。その際に仮想化技術を利用することで、管理を容易にしている。そして、人事データやポリシーに基づいてロール定義を行い、プロビジョニングを実施する仕組みだ。また、Webインターフェイスを提供し、ユーザー自身でパスワードの変更などを可能にすることで管理者負担も軽減している。

 販売面では、現在ニ十数社いる旧MaXwareユーザーへのサポート強化に加え、旧MaXwareパートナーやSAPテクノロジパートナー、ネットワーク/セキュリティ領域に強い新規SAPパートナーとの連携を強化して販売していく方針。

 ターゲットユーザーは、「既存のSAPユーザーがまずは中心となるが、SAP Access Controlとのセットソリューションとしてや、非SAP ERPユーザーへのエントリソリューションとしての販売も考えている。まずは今後1年間で30社を目標にし、今後3年間では100社以上に販売していきたい」(桐井氏)とした。また、価格はID数と接続システム数に比例し、「値段は公表できないが、競合他社と同程度と考えていただきたい」(同氏)と説明した。

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(@IT 大津心)

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