SAPのBIチーム1000名もBOの開発チームに参加予定

SAPグループとして、今後もOracleやDB2をサポートしていく〜BO

2007/11/07

 独SAPは1カ月前の10月9日、米ビジネスオブジェクツを約68億ドルで買収すると発表、2008年第1四半期には買収が完了する予定だ。その後、SAPは「買収後もビジネスオブジェクツを独立企業として存続させる」とコメントしている。そのあたりの事情について、この件について数少ない発言できる人物である米ビジネスオブジェクツ アジアパシフィックおよび日本担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャ キース・バッジ(Keith Budge)氏に話を聞いた。

バッジ氏写真 米ビジネスオブジェクツ アジアパシフィックおよび日本担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャ キース・バッジ氏

 バッジ氏は開口一番、買収について「この買収は、SAP、ビジネスオブジェクツ、当社ユーザーの三者にとって、間違いなく有益になるものだ」と強調した。その理由として、同氏は「巨大企業であるSAPと合併することによって、スケールメリットが現れてくる。当社の知名度向上にも役立っており、マーケティングメリットも現れてきている。SAPが持っている『マスタデータマネジメント』や『インメモリデータベース』といった最新のテクノロジを活用で切るようになる。また、R&D投資額も増える」などを挙げた。

 そして、今回の合併で最も大きなポイントを「合併後もビジネスオブジェクツは、独立企業、独立ブランドとして継続し、SAP以外のOracleやDB2などを今後もサポートし続けることだ」とした。その背景には、ビジネスオブジェクツのBIツールが、企業内のさまざまなデータソースからデータを収集し、分析するという性質がある。従って、同社の既存ユーザーのほとんどはSAP以外の製品も併用しており、SAP製品以外をサポートしないというのは死活問題にかかわるからだ。

 一方、SAPは自社のBIツールとして「SAP BW」を展開している。この点についてバッジ氏は「現時点では、製品ブランドがどうなるとか、ラインアップが統一されるか、などといった具体的な話し合いは、まだ一切されていない」と前置きしたうえで、「SAP BWの部隊の中から、1000名程度が当社のチームに合流する予定だ。また、両社でワークグループを立ち上げて、さまざまな検討を行っていく」とコメントした。ただし、買収が完了する2008年第1四半期までは表立った活動はしないという。

 最後にバッジ氏は、「当社とSAPとの合併によって、マーケットシェアは大きく変わる。日本においてはBIの認知がまだまだ低いので、継続して啓蒙・教育していく。今後は“SAPグループのビジネスオブジェクツ”になるが、引き続きオープンを維持し、OracleやDB2もサポートしていくので安心してほしい」とコメントした。

(@IT 大津心)

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