ほとんどのユーザーが2台以上保有
携帯が捨てられない――調査で分かったスマートフォンの弱点
2007/11/21
マイクロソフトは11月21日、自社で行ったWindows Mobile搭載スマートフォン(以下、スマートフォン)についての調査結果を発表した。スマートフォンのユーザーと携帯電話ユーザーの両者に質問。回答からはスマートフォンの弱点が浮かび上がった。
調査は10月16日から18日にかけてオンラインで実施。サンプル数はWindows Mobileユーザーが206で、携帯ユーザーが516だった。同社は昨年も同様の調査を行っている。
浮かび上がったのはスマートフォンが携帯電話の代替になっていないという実態だ。調査によるとスマートフォンユーザーの64%が2台以上の携帯電話/PHSを使っている。携帯電話だけのユーザーは89%が1台しか使っておらず、2台以上使うユーザーは11%に過ぎない。スマートフォンユーザーは2台以上の端末を保有し、Webサイト閲覧などのデータ通信にはスマートフォンを使い、音声通話は主に携帯電話で行っているケースが多いのだ。
月間の支払料金の割合で見ると、スマートフォンにかかる支出の60.7%はデータ通信で、音声通話は22.8%に過ぎない。逆にスマートフォンを使っているユーザーが携帯電話に関して支出する金額の52.8%は音声通話だ。「ユーザーは用途に応じてスマートフォンと携帯電話を使い分けている」(マイクロソフトのマーケットリサーチグループ 古川淳一氏)とも取れるが、スマートフォンの機能制限で一本化できないともいえる。同じ調査によるとスマートフォンユーザーの69%は端末を1台にはしたくないとしている。
一方でスマートフォンユーザーの音声通話への期待は高い。Windows Mobile搭載スマートフォンに対する利用動機を聞いたところ、2位に「音声通話」が入った。1位はWebサイト閲覧で、3位以下はOffice連携やPCとの同期など「PC機能に魅力を感じて購入している」(同氏)ユーザーが多い中で、音声通話を利用したいとうユーザーが多いことが分かる。それでも既存の携帯電話を捨てられないのは、携帯電話の独自メールや独自サービスがスマートフォンで完全に利用できないことが理由と考えられる。
製品ラインアップが増えたことでスマートフォンのすそ野は広がりつつある。調査によるとWindows Mobile搭載スマートフォンのユーザーの女性比率は2006年は3.2%だったが、2007年は14.6%まで増加。2006年は40代中心(38.8%)だったユーザー層も2007年には30代が最多(45.1%)になるなど、幅広く使われるようになっている。マイクロソフトは「ブランドや機能に対する認知度の向上が今後の課題」としている。
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