cybozu.netへフィード情報を提供

フィードビジネスの収益化プラン、フィードパス

2007/12/07

 フィードパスが12月4日からcybozu.netへフィード情報を提供し始めた。独自に保有するフィード情報の他社提供サービス第1弾となる。来年度以降、フィードのトランザクション課金事業を開始する予定であり、cybozu.netとの提携は実験的な意味もあるとフィードパス 取締役CTO 後藤康成氏は話す。

フィードパス、cybozu.net写真 cybozu.net 社長室 室長 椿奈緒子氏(左)とフィードパス 取締役CTO 後藤康成氏(右)

 フィードパスが保有するフィード情報データベース「feedpath Skunk」は、常時3000万件のフィード情報を蓄積している(1日平均50万件のアップデート)。同DBのフィード情報は、APIを介して外部のWebアプリケーションと繋がる。将来的な課金サービスの展開を見込んで、現在、APIの整備とトランザクションカウンターの実装作業を行っている最中だが、そもそもAPIの整備作業には、潤沢なトランザクションを生み出すのはどのようなフィード情報なのかを見極める必要がある。cybozu.netへのフィード情報の提供は、トラックレコード(履歴)を作成し、有効なフィード情報を探るための判断材料を得るという目的もある。

 現時点では、10万トランザクションまでは無料で配信し、それ以上になると課金を開始するという仕組みを計画している。個人のブログでも利用できる。

「feedpath Rabbit」との連携も視野に

 今回同社がフィード情報の他メディアへの提供を始めた背景には、収益が確保できる事業の展開という目的のほかに、(同社が展開する)他サービスとの連携効果を得るという意図もある。

 同社は、「feedpath Rabbit」というFeedリーダー(+Blogエディタ)を提供している。主な利用者は、業界で「アルファブロガー」と呼ばれる人々をはじめとした極めてITリテラシーの高い人々だ。後藤氏によると、このような層は国内で「20万人程度ではないか」とする。「feedpath Rabbit」の利用者数は約5万人だ。

 同社は「feedpath Rabbit」の広告メディア化を狙っている。将来的にコンテキスト・マッチ広告やレコメンデーション広告の販売を計画しているのだが、それには、「feedpath Rabbit」のメディア力の増強が不可欠だ。フィードリーダーの利用者数を拡大する最も効果的な方法は、大手ポータルサイトのユーザーに利用してもらうことだが、ほとんどのポータルサイトは自前のフィードリーダーを持っている。フィードパスは2007年11月にYahoo! JAPANと提携し、Yahoo! JAPAN ユーザーの獲得に着手し始めたが、トップシェア獲得にはまだ厚い壁がある。

 ゆえに、一見地道な方法だが、「feedpath Skunk」のフィード情報を他のメディアに再販し、あるいは個人ユーザーのブログでも活用を促すことで、「feedpath Rabbit」の認知度を徐々に向上させていくという円環構造のビジネス・スキームを考えている(「feedpath Skunk」に蓄積されるフィード情報は、「feedpath Rabbit」でタグ付けされ、配信されるフィード情報である)。

 フィード情報の提供については、cybozu.netでの利用データを元に、「ランキングとジャンルごとのディレクトリ作成の自動化を検討している」(後藤氏)。また、配信するメディア数が増えてくれば、個別のメディアに応じたAPIの実装作業も並行して行うことになる。

 「feedpath Rabbit」においては、2008年2月以降を目処に、フィード・サーチ機能の実装、パーソナライズ機能の実装、レコメンデーション機能の実装を順次計画している。

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(@IT 谷古宇浩司)

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