オラクル、PLM市場へ本格参入買収したAgile PLMを中心に販売組織を強化

» 2007年12月18日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 日本オラクルは12月18日、PLM(Product Lifecycle Management)事業基盤を強化し、同社が買収したAgile Softwareの製品を中心に積極的に展開すると発表した。

 米オラクルは、2007年5月に米Agile Softwareを4億9500万ドルで買収。日本オラクルも、Agile Softwareの日本支社を10月に吸収合併した。Agile SoftwareのPLMアプリケーションである「Agile Product Lifecycle Management」(以下、Agile PLM)は、開発プロセス管理や統合BOM(部品表)管理などの分野で現在1300社以上の顧客を持つ。

三澤氏写真 日本オラクル 常務執行役員 製品戦略統括本部長 三澤智光氏

 オラクルではAgile Softwareの日本支社合併に伴い組織を拡充。技術部隊を現状の15人から30人へ増員する予定であるほか、営業部隊は、オラクルの1000人強のフロント営業部隊全員が扱える体制を整え、販売体制を強化する。ERPとの連携においては、大手企業向けは「Agile PLMとOracle EBSの組み合わせ」を。中小企業向けには、「Agile PLMとJD Edwardsの組み合わせ」で展開するという。

 今後はPLM専任チームを中心に、現行のEBSパートナーでの展開を中心に、そのほかのパートナーとの協業強化や製品情報の提供、トレーニングなどを推進し、日本でのPLM販売を積極的に展開する。また、Agile PLMとオラクルの業務アプリケーション「Oracle E-Business Suite」をSOAで統合する「Application Integration Architecture」(AIA)の「プロセス統合パック」を、来春より提供開始する予定だ。

 日本オラクル 常務執行役員 製品戦略統括本部長 三澤智光氏は、「従来、企業はERPを企業内統合による効率化の中心に据えてきた。しかし、ERPだけでこれを実現するのは難しかった。オラクルでは、そのことから『Outside In』アプローチを打ち出し、買収企業の輸送管理アプリケーションや需要予測アプリケーションなど、さまざまな外部アプリケーションの情報をERPに集め、『情報をいかに活用するか』に焦点を当てて展開している。そして、それらをSOAで統合させる方針だ。今回のPLMも将来的にはSOAで統合し、ビジネスプロセスを柔軟に構築できるようになるはずだ」とコメントした。

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