Rails 1.2や2.0にも完全対応を予定

日本語版の3rdRailリリースを年内計画、CodeGear

2008/02/12

 CodeGear(コードギア)はRubyおよびRuby on Rails統合開発環境の「3rdRail」(サード・レイル)の日本語版を年内に提供する。2月12日に行われた自社イベントのために来日した米CodeGearデベロッパーリレーションズ担当副社長、デイビッド・インターシモーネ(David Intersimone)氏は都内で会見し、同社のJava、Ruby向け統合開発環境の方向性について説明した。

codegear01.jpg 米CodeGearデベロッパーリレーションズ担当副社長兼チーフエヴァンジェリスト、デイビッド・インターシモーネ氏

 CodeGearは2006年11月にボーランドの開発者向けツール部門が分社化して独立。OSや組み込み向け、科学計算向けでC++、Delphiといった開発ツールを提供する一方、ASP.Net、Javaなどのマネージド・コード向け、RubyやPHPといった動的言語向けツールの提供を開始するなどポートフォリオを充実させてきた。

 2007年9月に3rdRail 1.0をリリース。四半期ごとにアップデートを行うサブスクリプション方式での販売を開始した。2007年12月にはバージョン1.01をリリースし、現在は次のリリースに向けて準備中という。日本語版についてもまもなくフィールドテストを開始。年内にはリリース予定だ。

 同社が3rdRailを提供する背景を、インターシモーネ氏はこう説明する。「今後12〜18カ月のうちに、RubyやRailsはエンタープライズでもメインストリームに入ってくると見ている。弊社はこれまでJava開発環境を提供してきたことで、どうやってエンタープライズに普及していくのか、そのとき必要とされるツールは何かを良く理解している」(米CodeGearのバイス・プレジデント、デイビッド・インターシモーネ氏)。3rdRailは、IDEに必要とされるウィザード、コード補完、リファクタリング、ナビゲーション、デバッガなどを備えるほか、ランタイムやデータベースなどの完全な環境を提供するのが強みという。これまでRailsの開発者はエディタとコマンドラインを使っていたが、3rdRailでは、そうしたCUI環境を統合しつつ、ビジュアルなツールを使えるようにした。

 今後の3rdRailでは、RESTful対応機能を含めたRails 1.2や2.0への完全対応をやじめ、高速Rubyデバッガの統合などを予定している。

 一方、Java開発者向け統合開発環境のJBuilderでは、“Java開発のジレンマ”を解決するために、「アプリケーション・ファクトリーズ」と呼ぶ新たな仕組みを導入する。Java開発のジレンマとは、フレームワークの種類や数が多く、コードの再利用性が低くなってしまっている事態を指す。メンテナンス時に修正を行うために、開発者は「要求仕様やモデル、変更履歴といったドキュメントが、何千ものソースの中でバラバラに埋もれている」(インターシモーネ氏)という状態での作業を強いられる。こうした状況を打開するため、アプリケーション・ファクトリーズでは、直接ソースコードを見るのではなく、メタデータによるテーマ別ナビゲーションを導入。既存プロジェクトに新たに加わった開発者でも、容易にシステムの学習や理解が可能になるという。同社はまずJavaから新手法を取り入れるが「Java以外のどんな言語、フレームワークでも適用可能」(インターシモーネ氏)といい、今後はほかの開発環境にもアプリケーション・ファクトリーズを入れていきたい考えだ。

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(@IT 西村賢)

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