「JavaScriptはどうしても遅い」

Flashベースの「Yahoo!メール」が公開、高速さを追求

2008/02/20

 ヤフーは2月20日、Webメールサービス「Yahoo!メール」の次世代版を開発したと発表した。Flashを使ったインターフェイス(UI)を採用し、高速な動作が特徴。同日から約20万人のテスト利用者を募り、今秋にオープンベータ版を公開する予定。

yahoo03.jpg ヤフーのソーシャルネット事業部 企画部の小南晃雅氏

 テスト利用の申し込みはヤフーのWebサイトから。先着順で受け付け、早ければ来週以降に利用ができるようになる。ヤフーは昨年11月にFlashを使ったWebメール開発を行っていることを公開していた(参考記事:ヤフーがFlashベースのWebメール開発、「Ajaxよりも速い」)。

 次世代Yahoo!メールの最大の特徴は動作の速さ。既存のメールシステムをベースに、UIを「Adobe Flex」で開発し、Flashによる軽快な動作を実現した。ヤフーのソーシャルネット事業部 事業部長 殿村英嗣氏は「ログイン後、使えるまでが早い。入った後のレスポンスや描画も速い」と説明。同部企画部の小南晃雅氏は「これまでのHTMLベースのYahoo!メールと比べるとスピードはそれほど変わらないレベルだが、他社のリッチなサービスと比べると速い」と語り、軽快な動作で知られるGmailと比較しても高速との考えを示唆した。小南氏は「Flashと比べると、JavaScriptはどうしても描画などのスピードが遅い」と指摘した。

yahoo01.jpg 次世代Yahoo!メールのインターフェイス(クリックで拡大します)

 Flexで開発したUIは、一般的なメールソフトに近い3ペイン構成。小南氏は「メールソフトに近いイメージで開発を進めた」と話し、「どんなユーザーでも迷わずに使える」ことを目指したという。Flash採用でダイナミックなUIを実現し、ドラッグ&ドロップによるメッセージの移動や、Yahoo!アドレスブックと連動するあて先のオートコンプリート、5分ごとのメールの自動受信、キーボードを使ったショートカット、タブによる複数メッセージの閲覧などの機能を搭載した。ベータテスト公開後、2月25日にはメール内の広告表示も始める。ベータ利用中は従来のYahoo!メールのUIに戻すことができる。

yahoo02.jpg メール作成画面。あて先のオートコンプリート機能がある(クリックで拡大します)
yahoo04.jpg 右クリックメニューが利用できる

 ベータ版での対応環境はWindows Vista/XPと、Mac OS X、WebブラウザはInternet Explorer 6.0以上、Firefox 2.0以上。Flash Player 9.0.28以上のインストールが必要。

 ヤフーは次世代Yahoo!メールをヤフーのさまざまなサービスの入り口にすることも考えていて、ベータ版で対応するYahoo!アドレスブックのほかに、「Yahoo!メッセンジャー」「Yahoo!カレンダー」「Yahoo!プロフィール」との連動を検討している。RSSリーダーの機能も搭載する予定。

 「永遠のベータ」ではなく、オープンベータ公開後の状況を見て正式版のリリース時期を探る。ヤフーによると、現在のYahoo!メールの月間利用ID数は1500万以上で、「国内最大のWebメール」(殿村氏)。

(@IT 垣内郁栄)

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