独禁法問題対策で

MS、Vistaほか主要製品のAPI公開

2008/02/22

 米マイクロソフトは2月21日、競合製品との相互運用性を促進するための情報開示方針を発表した。サーバ製品やWindows Vista、Officeなどについて、APIやコミュニケーションプロトコルを同社サイト上で開示する。

 対象となるのは、Windows Vista(.NETフレームワークを含む)とWindows Server 2008、SQL Server 2008、Office 2007、Exchange Server 2007、Office SharePoint Server 2007で、各製品の将来のバージョンも含まれる。

 まず同日から、従来ライセンスが必要だったWindowsクライアントやサーバのプロトコルに関する3万ページ以上の文書を、MSDN (Microsoft Developer Network)で公開する。向こう数カ月の内には、Officeなど、ほかの製品の情報も公開予定。これらの情報の入手には、ライセンスやロイヤリティその他の手数料の支払いは不要。マイクロソフトはまた、オープンソースの開発者によるプロトコルの利用や、商用目的以外での配布については、法的措置を取らないことも明言している。

 同社製品と競合製品との相互運用性については、欧州第一審裁判所(CFI)が2007年9月に下した独禁法訴訟の裁定で、マイクロソフトに対し、サーバ製品のインターフェイス情報の公開を命じたほか、WindowsとWindows Media Playerとの抱き合わせ販売は違法と判定している。また2008年1月には、European Committee for Interoperable Systems(ECIS)とOpera Softwareによる訴えを受け、Office製品や関連サーバ製品、.NET Frameworkなどの相互運用性や、WindowsとInternet Explorer(IE)などとの抱き合わせ販売についての調査実施を決定している。

 今回の発表についてマイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOは、「当社製品および技術に関する情報をどう共有するかという点で、重要なステップであり、大きな変化だ」とコメント。同社法務顧問のブラッド・スミス氏は「今回発表した措置により、CFI裁定の相互運用性部分の責任を、当社の大量生産製品すべてにおいて果たすことになる」とし、「今後数週間で、CFI裁定の残りの部分にも対処すべく、さらなる段階に進む」としている。

 欧州委員会は同日、マイクロソフトの発表を受けて声明を発表。「当委員会は、マイクロソフトによる、真の相互運用性実現に向けてのいかなる動きも歓迎する」としながらも、同社の今回の発表が「過去に少なくとも4件あった同様の声明に続くもの」であり、抱き合わせ販売については対処していないと指摘。今後の調査を通じて、同社の発表が実行に移されたか、独禁法違反に対処するものかなどを検証していくとしている。

(ITmedia)

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