異なる電子バリューを組み合わせるサービス開発にはずみ

複数の電子マネーに対応するPOSレジの国際統一仕様が決まる

2008/03/03

 Open Point of Service技術協議会(OPOS-J)は3月3日、流通小売業向けPOSシステムの標準仕様「Open Point of Service日本版仕様書」の第1.12版を公開した。米国の標準化団体からの承認も得られ、国内で普及が進む非接触ICカードを用いた電子マネーなどの取り扱いに関する国際統一仕様が固まった。

 電子マネーなどの非接触ICチップサービスに関する技術標準は「電子バリュー」仕様として定義された。これにより、電子マネーのほか、電子クーポンや電子チケットなどを1台のPOS端末で取り扱えるような拡張サービスの開発が可能になるという。

 「電子バリュー」仕様では、電子マネーやポイントのような「価値」や電子クーポン/電子チケットのような「権利」を抽象化。また、マルチリーダ化が進むことを想定し、複数のサービス事業者が機密性を保ったままお互いのサービスを統括的に制御するための「サブサービス」の概念も定義した。

 電子マネーだけに注目してみても、プリペイド型とポストペイド型に分類することができ、それぞれに複数の発行者が参入している。電子マネーユーザーの利便性や省スペース化を考えると、店舗側でそれぞれの電子マネーに対応した1台のリーダ/ライタを求めるニーズが高まっている。

 現在、国内のPOS端末の出荷台数の約8割はOSにWindowsが採用されている。OPOS-Jは、そのようなPOS端末やアプリケーションのインターフェイスを標準化し、オープンで汎用性のある開発環境を提供することを目指した任意団体だ。また、米国や欧州のOPOS-WGや全米小売業協会傘下のUPOSと連携し、規格の共同策定や国際統一仕様の承認を行っている。

(@IT 岡田大助)

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