RSA Conference Japan 2008開催
「敵を知らなくても己を知らば……」
2008/04/23
4月23日、24日の2日間にわたって、セキュリティをテーマとしたカンファレンス「RSA Conference 2008 Japan」が開催されている。
初日の基調講演には、危機管理総合研究所研究所長の小川和久氏が登場。孫子の「兵法」を引き合いに出し、「論理的に考えなければセキュリティは確保できない」と指摘した。
危機管理総合研究所研究所長、小川和久氏孫子は古今東西、戦略論のテキストとして広く読まれてきたが、日本においてはそれが誤読されているという。最もよく知られているのが「彼を知り己を知らば百戦危うからず」という一説だが、「この言葉には続きがあり、『彼を知らずして己を知らば一勝一負す』とある。つまり、自分を過大評価も過小評価もすることなく誠実に望めば、半分くらいは勝つということ」(小川氏)
さらに同氏は、情報というものは、それを取りに行った人のレベルに応じたものしか手に入らないと述べる。孫子の言葉を真に受け、情報を収集しようとしても「自分自身のレベルを把握していなければ、価値ある情報が目の前にあっても気付かない。まず己を把握することが重要だ」と語った。
同氏はまた、米国と日本の対外戦略の違いを踏まえ、「企業において情報セキュリティを考える場合も、世界の水準と日本とのギャップを認識すべし」と述べている。
考えるセキュリティが革新を加速
続く基調講演には、米RSAセキュリティのプレジデントで、米EMCのエグゼクティブ・バイスプレジデントでもあるアート・コビエロ(Art Coviello)氏が登場した。
セキュリティベンダのトップを務め、多くの顧客から話を聞いてきた経験から、コビエロ氏は「多くの企業では、セキュリティは『必要悪』『摩擦の要素』とみなされている。セキュリティの推進者は、実現する人(enabler)ではなく妨害者と見られている」と述べた。
米EMCエグゼクティブ・バイスプレジデント、RSAセキュリティのプレジデントを務めるアート・コビエロ氏しかし、セキュリティ担当者に求められているのは、何かをしようというときに、セキュリティの観点から「ノー」と言うのではなく、ビジネス上のニーズを踏まえ、「どのようにしたら実現できるか」と言うことだという。
コビエロ氏はまた、セキュリティ技術自身も変わらなくてはいけないと述べた。「今は、ツールの望む方法をユーザーに強いている状態だ。このため、複雑でスタティックで、しかも柔軟性に欠けている。この結果、ユーザーのナレッジともギャップが生じている」(同氏)
この問題を解決するものとして同氏が提案するのは、自律的で、自らを環境に適応させながら保護を実現する「シンキング・セキュリティ(考えるセキュリティ)」だ。
シンキング・セキュリティは、人間と同じように振る舞うという。「人は何も、アクセスコントロールリストに基づいて情報をコントロールしているのではなく、コンテンツそのものに基づいて判断している」(コビエロ氏)。つまり、どのような中身で、誰がどのように使っているのかという状況に基づいて、ダイナミックにデータを保護する。リスクを把握し、状況に応じて適切な対策を実現できるようになるという。この結果、ユーザーの負担も減らすことができる。
「シンキング・セキュリティはイノベーションの加速者となって、セキュリティをさらなる高みに押し上げるだろう」(コビエロ氏)
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