グーグル買収の噂で注目の企業

「1日36万ユーザーが増加」、Skypeの現状

2008/05/14

 クライアント同士が作るP2Pネットワークを使ったスケーラブルな無料音声通話サービスで知られるSkypeは、従来提供してきた有償サービス「Skype Pro」に代わり、4月21日から月額固定料金サービスを開始している。5月14日に都内で会見をした日本オフィス ジェネラル・マネージャーの岩田真一氏は、Skypeの現状や新サービスの概要を説明した。

エストニアで技術開発、イギリスでサービス事業

skype01.jpg スカイプ・テクノロジーズ 日本オフィス ジェネラル・マネージャーの岩田真一氏

 Skypeの組織体制はユニークだ。Skypeは28の言語で事業を展開するグローバル企業でWeb 2.0の旗手として高いブランド力と、2008年の第1四半期で1億2600万ドル(約130億円)の売り上げを持つが、社員規模は小さい。2005年8月に170人だった社員数は、現在「誰も把握していないと思うが500から600人程度」(岩田氏)。その半分近くがエストニアで開発に従事しており、残りの半分がイギリスで主にビジネス面でのオペレーションを行っているという。オーストラリアに広報部門があるほか、親会社であるeBayがあるアメリカにも当然拠点がある。日本では常駐スタッフは3人。岩田氏の上司は香港在住であるなど、サービスのオペレーションはグローバルなネットワークを使って行っているという。

 2004年のサービス開始以来、登録ユーザー数は右肩上がりで、現在3億900万人。1日当たり36万人と加速度的に新規ユーザーを獲得しているという。日本の携帯電話契約者数の1カ月の伸びは、直近の2008年4月で26万契約程度。一国とグローバル市場で比較はできないが、Skypeユーザー数の伸びの速さは日本の携帯ユーザーの伸びの速さの約40倍であることが分かる。

skype02.jpg 四半期ごとの登録ユーザー数の推移
skype03.jpg 四半期ごとの売り上げ規模の推移

全通話の28%がビデオを利用

 2008年2月には、これまでの累計通話時間が1000億分を突破。アジアが夜のピーク時には1200万ユーザー以上がSkypeのネットワークに接続し、同時通話数は25万に及ぶという。これまで、2007年夏にWindowsの更新プログラムのタイミングが理由でネットワーク全体が不調になるトラブルがあったが、「何十億人にでも対応できるスケーラビリティを持っている」(岩田氏)という。音声通話が消費するのは帯域は8〜12kbpsと、きわめて小さい。

 バージョン2.0から導入したビデオ通話機能は、2007年末に登場したバージョン3.6でVGA、30fps対応の高画質なものになった。ビデオの利用率は過去1年で全通話の20%から28%に上がっているという。

skype04.jpg 全通話に占めるビデオ通話の比率

月額プランを中心にパートナーと事業を盛り上げる

 Skypeはもともとネット上のソフトウェアサービスだったが、プリペイド方式により固定電話や携帯電話へダイヤルする機能(SkypeOut)や、逆に050番号(日本の場合)を取得して電話を受ける機能(SkypeIn)を提供することで、徐々に各国の既存キャリアとの接点を増やしている。2008年1月には、PCではなく利用中の携帯電話や固定電話から指定された050番号へかけることでSkypeのネットワークを使って通話ができる「Skype To Go」を発表。携帯電話からSkypeの利用を可能にしている。「例えば長期出張でロンドンに行く場合に、あらかじめ自宅や会社の電話番号を登録しておけば、携帯電話からロンドンのローカルな番号にかけることでSkypeを通した安い通話が利用できる」(岩田氏)。

skype05.jpg SkypeやFONに対応したパナソニックコミュニケーションズの「Skype対応Wi-Fiフォンセット(KX-WP800)」。無線ルータがセットになっている

 Skypeは認証制度を用意しており、ハードウェアベンダがSkype対応機器を出す例も徐々に増えている。これまでにもWiFi対応の通話ハンドセットや、PSPなどのゲーム機が対応する例がある。またパナソニック コミュニケーションズは2008年3月末にWiFi対応小型ルータとハンドセットのセット「Skype対応Wi-Fiフォンセット(KX-WP800)」を発売している。SkypeOutやSkypeInに対応しており、「電話のモジュラージャックの代わりにLAN端子に接続する」(岩田氏)というワイヤレス電話と同等になる。

 2007年10月からSkypeでは認定インテグレータ制度を開始している。日本ではJava向けのSkype用ミドルウェアを開発しているUBIONが認定されている。今後は、通信キャリアやソフトウェア・ハードウェアベンダと協力することで、「月額プランを中心にしてパートナーと盛り上げていく」(岩田氏)としている。

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(@IT 西村賢)

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