南アフリカ国民の生活を支える指紋認証システム、NEC5000万人規模で世界最大級

» 2008年05月21日 00時00分 公開
[吉村哲樹,@IT]

 NECは5月21日、同社の自動指紋認証システムをベースに構築された南アフリカ共和国の国民IDシステムを更新、2008年6月から新システムが稼働開始すると発表した。

 現行システムは、4500万人分の指紋データの管理・照合処理が可能な世界最大級の指紋認証による国民IDシステム。NECの自動指紋認証システムを採用し、2002年に稼働した。今回のシステム更新でハードウェア/ソフトウェアを最新版に刷新することにより、システムの性能および可用性が大幅に向上するという。

 南アフリカでは政府が16歳以上の国民に「IDブックレット」という手帳を発行し、携帯を義務付けている。IDブックレットには本人の指紋が登録されており、この照合による個人認証が各種公共サービス、民間サービスで広く利用されている。当初は書類ベースで指紋データを管理し、人手で指紋照合を行っていた。しかし、指紋認証の利用範囲が広がるにつれ書類データ管理や指紋認証作業の負荷が増大、2002年にNECの指紋認証技術をベースにシステム化を行った。これにより、指紋認証がかかわる市民サービスの利便性が大幅に向上したという。

 さらに今回のシステム更新により、5000万人分の指紋データが登録・処理可能となる。同国では将来、今回更新されたシステムをベースに、現在のIDブックレットに代わりICカードの導入も検討しているという。

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