SAS、「BIを見える化ツールとして単独で使う時代は終わった」情報基盤「SAS 9.2」をリリースへ

» 2008年05月27日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 SAS Institute Japanは5月26日、情報基盤製品の最新版「SAS 9.2」を2008年第3四半期(7−9月期)に出荷開始すると発表した。ビジネスの現状を知るだけでなく、その情報に対して分析、予測を加えて次のアクションを最適化する「予見力」を強化したのが特徴という。

 同社の代表取締役社長 吉田仁志氏は「従来のビジネス・インテリジェンス(BI)ツールはビジネスの見える化には貢献できたが、それだけでは会社はよくならない」と指摘。見える化に加えて、因果関係の分析、今後の予測、次の行動の最適化を実現する情報基盤が必要と強調した。「あらゆるアプリケーションの裏で予見力を持った情報基盤が走るのが将来の姿」と吉田氏は話した。

SAS Institute Japanの代表取締役社長 吉田仁志氏

 SASは情報基盤、業務別ソリューション、業種別ソリューションの3つのレイヤに対して製品を提供している。SAS 9.2はその情報基盤として動作し、各種ソリューションに対して信頼性が高い情報をスピーディに提供することが仕事。具体的には「Data Integration」「Intelligence Storage」「Analytics」「Business Intelligence」の機能がある。Analyticsではアルゴリズムを強化し、より正確な分析を可能にしたほか、データクレンジングツールの統合やOLAPキューブの強化によるパフォーマンス向上などを実現したという。

 価格は最小構成で650万円。標準的な構成では3000万円程度になるという。

 BI市場は大手ベンダによる専業ベンダの買収が相次ぎ、再編期を迎えている。SASは専業ベンダだが、情報基盤や業務別ソリューションを持ち、幅広い企業のニーズに応えられるのが特徴。吉田氏は「BIを見える化ツールとして単独で使う時代は終わった」と指摘し、情報基盤の総合力が問われるとの認識を示した。

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