クラサバと同じ感覚でリッチクライアント開発を、マジックソフト「Magicリッチクライアント」を発売

» 2008年05月28日 00時00分 公開
[吉村哲樹,@IT]

 マジックソフトウェア・ジャパンは5月28日、リッチクライアントアプリケーションの開発・実行環境「Magicリッチクライアント」の販売を6月16日に開始すると発表した。

 マジックソフトウェアは、イスラエルに本社を置くビジネスアプリケーション開発・実行フレームワークおよびシステム統合ツールベンダ。主に中小企業向けの製品を提供している。同社のビジネスアプリケーション開発・実行フレームワーク「Magic eDeveloper」は、クライアント/サーバ型アプリケーションとWebアプリケーションの開発環境を備える。Magicリッチクライアントは、これにリッチクライアントアプリケーションの開発・実行環境を新たに付加するもの。

写真 マジックソフトウェア・ジャパン 代表取締役 石垣清氏

 リッチクライアントのニーズについて、同社 代表取締役 石垣清親氏は「クライアント/サーバ型アプリケーションのファットクライアントはリッチなGUIや高パフォーマンスが得られる反面、アプリケーションの配布や管理が困難。一方、Webシステムはアプリケーションをサーバ側で集中管理できるが、その反面UIが貧弱でパフォーマンスも悪い。リッチクライアントは、この両方のいいとこ取りをしたもの。アプリケーションをサーバで集中管理しつつ、リッチなGUIを実現できる」と述べた。

 ただし、リッチクライアントの開発ではサーバ側の業務ロジックとクライアント側の業務ロジックとの間の通信制御部分を実装する必要がある。そのため、開発・保守の難度や工数が増大してしまう。Magicリッチクライアントはこうした部分を隠蔽し、アプリケーション実行フレームワークが自動処理するため、開発者は画面と業務ロジックの開発に専念できる。クライアント/サーバ型アプリケーションとほぼ同じ開発手順で、リッチクライアントアプリケーションが開発可能だという。また、Magic eDeveloperで開発した既存のクライアント/サーバ型アプリケーションをリッチクライアント化することも可能。

写真 マジックソフトウェア・ジャパン ソリューション マーケティング本部 テクニカルサポート部 部長 釘宮政紀氏

 クライアント側アプリケーションは、Javaアプリケーションとして動作する。Webブラウザベースにしなかった理由を、同社 ソリューション マーケティング本部 テクニカルサポート部 部長 釘宮政紀氏は「Webブラウザの種別やバージョンにアプリケーションが影響を受けないようにするため」と説明した。また、アプリケーションの配布や更新は、Java Web Startにより自動的に行われる。

 サポート対象OSは、クライアント側がMicrosoft Windows 2000/XP/Vista、サーバ側がMicrosoft Windows 2000 ServerとWindows Server 2003。同社では今後、同ツールに負荷分散やマルチテナント管理機能などを追加し、SaaS型アプリケーションの開発・実行フレームワークへ拡張する予定だという。

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