物理サーバや仮想サーバがごちゃ混ぜでも一元管理できるソフト日本HPがサーバ用統合管理ソフトウェアをリリース

» 2008年06月05日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 日本ヒューレット・パッカードは6月5日、同社のサーバやストレージ、仮想サーバを一元的に管理できるソフトウェア「HP Insight Dynamics-VSE」(ID-VSE)を発売すると発表した。

 ID-VSEは、「HP Integrity」「HP Proliant」「HP StorageWorks」といったサーバ・ストレージ製品群や、これらの物理サーバ上に構築した仮想サーバを一元的に管理できるソフトウェア製品。同社が提唱する次世代インフラストラクチャ構想「アダプティブ・インフラストラクチャ」に必要な、「ITシステム&サービス」「電力&冷却」「管理」「セキュリティ」「仮想化」「自動化」という6つの要素のうち、管理と仮想化をカバーする製品として位置付けられている。

 機能面では、HPのサーバ・ストレージ製品に標準で添付される管理ソフトウェア「HP Systems Insight Manager」を拡張する位置付けとなっており、主な特徴として仮想化環境を前提としたアーキテクチャやキャパシティ・プランニング支援機能が挙げられる。管理面では、異種プラットフォームを一元的に管理できる点が特徴だ。例えば、HP-UXで稼働するIntegrityサーバと、WindowsやLinuxで稼働するProliantサーバを同じ画面で管理できる。

画面イメージ ID-VSEの画面イメージ。緑色の囲みが物理サーバを表わしている。その緑色の物理サーバの中に、グレーで囲まれた仮想サーバが何台か入っているのが分かる。これらをドラッグ&ドロップで移動させることもできる
松本氏写真 日本HP 執行役員 エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 松本芳武氏

 また、仮想サーバと物理サーバを切り離し、自在にマッピングさせることができる機能「Logical Server Manager」を搭載。エンクロージャが異なるブレードサーバであっても、同一画面上で操作できる点が特徴だ。必要に応じてサーバのキャパシティを管理するキャパシティ・プランニングを支援する機能としては、稼働中・停止中にかかわらず、管理下のすべてのサーバの状況を分析し、必要なキャパシティを備えた物理サーバを5段階で評価して推奨する機能を搭載した。

 ID-VSEは、HP Proliant用パッケージとHP Integrity用パッケージを用意。HP Proliant用が15万7500円から、HP Integrity用が10万5000円から。

 日本HP 執行役員 エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 松本芳武氏は、「先日発表した第2四半期の決算では、Integrityサーバが前年比7%増、ブレードサーバが同60%増と順調だった。日本も同程度の数字を残せている。その背景には、グリーンITへの関心の高まりなどの理由で、当社のアダプティブ・インフラストラクチャが差別化ポイントになっていると考えられる。ID-VSEによって、サーバ資源をCPUリソースだけでなく、電源容量やディスク容量まで容易に移動できる。このことでさらにこの差別化要因を拡大できるだろう」とコメントした。

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