JR東日本、6万人利用の社員システムをSAPで構築ベリングポイントなどが開発

» 2008年06月05日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 ベリングポイント、SAPジャパン、マイクロソフトの3社は6月5日、6万2000人が利用する東日本旅客鉄道(JR東日本)の社員システムをSAPの人事管理ソリューションを基盤に構築したと発表した。2007年10月からすでに稼働していて、安定稼働を確認したという。

 新システムはSAP ERP Human Capital Managementを基盤に開発した。JR東日本はこれまで人事関連システムとして40のシステムが個別に動いていた。それぞれの人事情報が一元化されておらず、人事制度の変化などに迅速に対応できないという問題があった。一般社員からの申請は紙ベースまたは専用端末を使う方式で使い勝手もよくなかった。

 今回のプロジェクトでは40システムのマスターデータをまず統合し、SAP ERP Human Capital Managementでシステムを構築。さらにSAP Enterprise Portalを使って一般社員向けの人事ポータルを構築した。社員はこのポータルを使って人事関係の申請や給与の確認、社会保険、福利厚生などのサービスを一元的に使える。マニュアル提供やFAQなどナレッジ共有の機能もある。人事担当者もポータル通じてSAP ERP Human Capital Managementを利用でき、人事情報やプロセスの変更を迅速に行えるという。システムのプラットフォームはWindows Server 2003とSQL Server 2005。

 新システムを使うユーザーは約6万2000人で、SAP ERPを使うシステムとしてはアジア太平洋地域で最大規模という。開発は、ベリングポイントが基本構想の策定や要件定義、システム設計・開発、運用サポートなどを担当。ジェイアール東日本情報システムが主に旧システムからのデータ移行やユーザーサポートを行った。プロジェクト立ち上げから稼働までの開発期間は約2年。ピーク時には約250人がプロジェクトに関わった。JR東日本はすでに財務システムでSAPを採用している。

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