「多くの人にLinuxに触れてもらう機会を」
ターボリナックス、LiveCDでも試せるクライアントOS新版
2008/06/10
ターボリナックスは6月10日、クライアント向けOSの最新版「Turbolinux Client 2008」を8月8日から販売することを発表した。パッケージ製品と同時に、無償で利用できるLiveCD版「Live Edition」の提供も開始する。
Turbolinux Client 2008は、「Magny-Cours」のコードネームで開発が進められてきたOSだ。デスクトップやラップトップPCだけでなく、組み込み機器やモバイル製品など幅広いIT機器での動作を想定しており、3Dデスクトップなどの新機能を搭載している。
特徴の1つとして、OSのコアに、フランスのMandrivaとの共同開発プロジェクト「Manbo-Labs」の成果である「Manbo-Core」を採用していることが挙げられる。これにより、ライブラリ(glibc)やコンパイラ(gcc)、パッケージ管理/アップデートシステム(rpm/yum)などを一新し、高いセキュリティと安定性を実現したという。また、「ターボリナックスの弱点は、世界に比べコミュニティベースが小さいこと」(同社代表取締役社長兼CEOの矢野広一氏)という課題にも、ヨーロッパをベースとするMandrivaと手を組むことにより対処した。
同時に、セキュリティ強化のため「TOMOYO Linux」も搭載した。Turbolinux 11 Server同様、OSそのものを堅牢にし、ウイルスや不正なプログラムの実行を防ぐことができる。
もう1つの特徴は、1CD Linuxに対応したこと。CD-ROMから直接起動できるほか、いったんHDDにインストールした後、USBメモリへインストールし、さまざまなモバイルPCで利用することも可能だ。モバイル環境への対応という意味では、併せてAtomプロセッサの対応サポートやサスペンド・ハイバネーションの強化などが図られた。
ターボリナックスは、これまでシンクライアント製品「Wizpy」向けに提供してきたオンラインサービスを拡充し、Turbolinux Client 2008を対象としたASPサービスも提供する予定という。ディスクスペースの提供に加え、DVDリッピングツール「Turborip」やウイルススキャンといった追加アプリケーションが提供される予定だ。
価格は、オンライン販売の「Online Product Package」が7800円(税込み)、LiveCD版の「Net User Package」が9800円。いずれも、オフィススイート「StarSuite」や日本語変換ツール「ATOK X3」、日本語フォント「リコーTrueTypeフォント」などをダウンロードして利用でき、価格にはその分のダウンロード権が含まれている。また、これらの商用アプリケーションを収録したCDがセットになった「Full Disk Package」の価格は1万2800円の予定だ。
さらに、これらとは別に、LiveCDイメージファイルをWebサイトで公開し、手軽にTurbolinux Client 2008を試せるようにする。「多くの人にLinuxに触れてもらいたい。企業としてLinuxの火を消さないという信念に基づいて提供していく」(矢野氏)という。
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