安価な「XenServer OEM Edition」の提供で中小へ仮想化を広めたいデルが仮想化事業への取り組みを説明

» 2008年06月11日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 デルは6月11日、報道関係者向けの説明会を開催し、同社の仮想化ソリューションに対する取り組みを説明。今後、中小企業向けの仮想化事業に力を入れていくことを強調した。

 デルは、5月に新日鉄ソリューションや日本オラクルと協業し、サーバ仮想化製品である「Oracle VM」をベースとした製品の提供を発表するなど、仮想化事業への取り組みを強化している。デル 執行役員 アドバンスド・システム・グループ本部長 町田栄作氏は、「仮想化事業は、一昨年〜昨年の間で売り上げが2.5倍になっているほどインパクトのある市場だ。ただし、現在の仮想化市場は、まだ大企業中心のイメージが強い。その裾野を広げることが最大の使命だ」とコメントし、現在の大企業中心の仮想化市場の裾野を中小企業へ広げる必要があることを強調した。

町田氏写真 デル 執行役員 アドバンスド・システム・グループ本部長 町田栄作氏

 デルがいう中小企業とは、社員数500人程度の企業。このような企業に対して仮想化ソリューションをプッシュしていきたいという。「現在、中小企業にとって仮想化ソリューション導入の最大の壁となっているのはやはり『イニシャルコストの高さ』だ。この問題をクリアすれば、もっと小さな企業でも仮想化を入れることができるようになる。また『導入が難しい』や『運用が不安』が壁となっている」(町田氏)と説明した。

 デルではその対応策の1つとして、シトリックスの「XenServer OEM Edition」をPowerEdgeに採用するソリューションを紹介した。XenServer OEM Editionは、1GBのフラッシュドライブに入るもので、基本的にはインストールバージョンと同じもの。XenServer OEM Editionの場合、料金はフラッシュドライブの価格だけしかかからない。ブートして設定するだけで仮想環境をおおよそ3分で構築できるというもの。このXenServer OEM Editionに管理ソフトウェア「DELL OpenManage Server Administrator」を組み合わせ、物理サーバと仮想サーバの両方の管理を実現する。

 また、同社では「はじめての仮想化パッケージ」として、サーバ「PowerEdge 2950 III」2台とストレージ「PowerVault MD3000」、仮想サーバ「Citrix XenServer Enterprise」を組み合わせたパッケージ製品を提供する。価格は450万円から。同社によると、「PowerEdge 2950 III」と「VMware」、iSCSI「PowerVault MD3000i」を組み合わせた場合では650万円からだという。

 町田氏は、「中小企業向けに仮想化を啓蒙するため、今後パートナー企業とセミナーなどさまざまな取り組みを行っていく。ユーザー企業にとっては、窓口がデルに一本化できるので導入不安などは解消できるのではないか。イニシャルコストを下げることで、導入できる企業も増えるはずだ」と意欲を示した。

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