シティバンク&オラクルが提供するグローバル企業向けサービス「グローバル・キャッシュ・マネジメント・システム」を実現

» 2008年06月17日 00時00分 公開
[吉村哲樹,@IT]

 シティバンク銀行と日本オラクルは6月17日、両社のサービスを連携したグローバル・キャッシュ・マネジメントのソリューションについて説明会を開催した。

 グローバル・キャッシュ・マネジメントとは、海外に事業展開する企業の財務管理体制を企業グループ全体で一元化し、強化する取り組みのことをいう。企業競争力の強化のみならず、昨今ではJ-SOX法対応や会計基準のコンバージェンスなどの理由からも注目を集めている。具体的には、各海外拠点間で資金を移動することにより金融収支の改善を図る「プーリング」や、企業グループ内に金融統括会社を設置して海外拠点間の支払いのルールを統一する「グローバル・ネッティング」、さらには金融統括会社の傘下に「シェアード・サービス・センター」を設立して支払い業務を集約する、などの施策がある。シティバンク銀行の副島弘行氏によると、こうした施策による資金効率改善やコスト削減の効果は大きく、「すでに数十億円の投資効果を生んでいる事例もある」(副島氏)という。

写真 シティバンク銀行 グローバル・トランザクション・サービス本部 トレジャリー・アンド・トレード・ソリューションズ部 部長 副島弘行氏

 今回の両社の提携では、シティバンクの法人向けインターネット・バンキング・サービス「CitiDirect」(シティダイレクト)およびファイル伝送システム「Citi File Xchange」(シティ・ファイル・エクスチェンジ)と、オラクルのアプリケーション製品「Oracle Global Cash Management System」(オラクル・グローバル・キャッシュ・マネジメント・システム)を連携したサービスをユーザー企業に提供する。これによりユーザー企業は、社内システムで資金移動や決済指示の入力を行うと、当該指示内容がシティバンクに自動的に送信され、グローバルレベルでの決済や資金移動を社内システムから銀行の決済システムまで一気通貫で行うことが可能となる。

 Oracle Global Cash Management Systemは、2007年9月に発表されたアプリケーション製品。グローバル企業グループにおける財務・資金管理の全体最適化を支援する機能を備える。オラクルの各種業務アプリケーションと連携できるだけでなく、他社製品で構築されたシステムともSOA技術により連携可能だという。この点について日本オラクルの桜本利幸氏は「Oracle BPEL Process Managerを介すことにより、レガシーシステムや他社製業務アプリケーションとも連携が可能だ」と説明する。また、シティバンクのサービスとのデータ連携部分ではEDIFACTやSWIFTといった標準フォーマットをサポートしており、新規の開発は不要だという。

写真 日本オラクル 製品戦略統括本部 アプリケーションビジネス推進部 ディレクター 桜本利幸氏

 両社では今後、サービス連携によるグローバル・キャッシュ・マネジメントのソリューションを顧客に提供していくとともに、セミナーなどを通じてグローバル・キャッシュ・マネジメントの普及促進に取り組んでいくとしている。

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