シマンテックが解決策を説明

サーバ仮想化における大きなジレンマはバックアップにあり

2008/06/20

 シマンテックは6月20日、同社のバックアップ/リカバリ製品「Veritas NetBackup」におけるサーバ仮想化への取り組みについて説明した。

symantec01.jpg シマンテック ソリューション&プロダクトマーケティング部 リージョナルプロダクトマーケティングマネージャ 浅野百絵果氏

 サーバ仮想化では、サーバの利用効率を向上することが主要な目的の1つだ。しかし、その結果としてサーバの利用率が常時高い状態になると、バックアップのために新たな負荷をかける余裕がなくなるというジレンマが発生する、と同社 ソリューション&プロダクトマーケティング部 リージョナルプロダクトマーケティングマネージャ 浅野百絵果氏は指摘する。

 VMware ESXにおける仮想サーバ環境のバックアップ手法には、基本的に各仮想サーバでバックアップ・エージェントを動作させる方法と、VMDKという形式の1ファイルに見える各仮想サーバを、そのままバックアップする方法の2つがある。前者は差分バックアップができるし、ファイル単位でのリストアも可能だが、各仮想サーバでバックアップ・プロセスが動くため、大きな負荷がかかる。VMDKファイルをバックアップする方法は一見簡単だが、差分バックアップができず、毎回仮想サーバの全データをバックアップすることになってしまう。また、ファイル単位でのリストアもできない。

 そこで米ヴイエムウェアが2006年に提供開始したのが「VMware Consolidated Backup」(VCB)だ。VCBではバックアップ時に同一ストレージ上に各仮想マシンのスナップショットを生成し、これを別のサーバからマウントしてバックアップソフトウェアに提供することができる。バックアップ・プロセスが動作するのはバックアップ対象とは別のサーバ機であるため、対象サーバの負荷は大幅に軽減される。VCBではファイル単位と仮想サーバ単位の双方のバックアップが可能だ。ただし、ファイル単位のバックアップではファイル単位でのリストアしかできず、仮想サーバ単位のバックアップでは仮想サーバ単位のリストアしかできない。

 NetBackupでは、まずVCBに対応することで、仮想サーバに負荷をかけないバックアップを実現している。さらに、ファイル単位のバックアップの仮想サーバ単位のバックアップの場合は、これに含まれるファイルのカタログを取得することにより、仮想サーバ全体、ファイル単位のいずれの方法でもリストアができるという。また、国内では2008年9月に提供予定のNetBackup 6.5.3では、仮想サーバ全体のバックアップを行う場合にも差分バックアップが可能になるという。

 浅野氏は、サーバ仮想化環境のバックアップで役立つもう1つの技術として、「NetBackup PureDisk」による重複除外を挙げた。PureDiskはサーバにおいて重複除外を行う製品。各仮想サーバでエージェントを動かすことで、バックアップ対象のデータを大幅に削減でき、バックアップに掛かる時間も短縮できると話した。

(@IT 三木泉)

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