専用設計のノート型シンクライアント端末
日本HP、「ライトタッチ」のシンクライアントソリューション
2008/06/23
日本ヒューレット・パッカード(HP)は6月23日、企業向けのノート型シンクライアント端末「HP Compaq 2533t Mobile Thin Client(2533t)」を発表した。情報漏えい対策や内部統制を背景に導入を考える大企業だけでなく、これまで、シンクライアントシステムは高価だととらえていた中堅・中小企業にも、手軽に導入できる製品として提供していく。
2533tは、12.1インチの液晶ディスプレイを備えたノートブック型シンクライアント端末だ。従来のノート型シンクライアント製品「6720t」とは異なり、シンクライアント端末としてマザーボードから専用設計を行った。ファンやHDDなどの回転部分を持たないどころか、従来のシンクライアント製品では筐体を開くと見つかった「HDDが入っていたスペース」すらないという。また、USBやSDカードなどはデフォルトでは利用できず、管理者が設定を行わない限り使用できない仕組みだ。
搭載OSはWindows XP Embeddedで、同社のシンクライアントシステム「HP Remote Client Solution」のアクセス端末として利用できるほか、VPN/RDP経由でリモートデスクトップにアクセスする画面転送型シンクライアントとしても利用できる。
また、シスコシステムズなどサードパーティ製のIPSec VPN/SSL VPNとの検証を順次進めており、同社のソリューションだけでなく「ネットワークコネクティビティやVPNのセキュリティなども含め、すべてのシンクライアントに対するインフラとして提供していく」(日本HPの執行役員 パーソナルシステムズ事業統括 マーケティング統括本部長の松本光吉氏)。
なお日本HPでは、データセンター側に配置したサーバブレードを利用する「ブレードPC方式」など、いくつかのシンクライアントシステムをほかにも提供しているが、2533tは「もう少しライトタッチの、中堅/中小企業向けシンクライアントソリューション」(同社パーソナルシステムズ事業統括 モバイル&コンシューマビジネス本部 プロダクトマネージャの菊地友仁氏)という位置付けだ。
2533tの価格は12万5790円。また、イー・モバイルのデータ通信カード「D02NE」もしくは「D02HW」をセットにした「イー・モバイルセットモデル」を、オンラインストア「HP Directplus」経由で販売する。イー・モバイルセットモデルの価格は10万4790円。いずれも6月26日に販売を開始する。
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