Gmailもプッシュ、インテリシンクが新バージョン発売へIntellisync Mobile Suite 9を7月末発売

» 2008年07月02日 00時00分 公開
[西村賢,@IT]

 インテリシンクは7月2日、エンタープライズ向けモバイルソリューションの最新版「Intellisync Mobile Suite 9」(IMS)を発表した。7月末に出荷を開始する。新たにGmailやYahooメールに対応したほか、複数アカウントに対応した。最新のスマートフォンや各社2008年夏モデルの最新の携帯電話への対応、メールプッシュ機能の高速化、クライアントアプリケーションのネイティブ対応など従来の機能も強化した。

Symbianクライアントを刷新し、機能強化も

 IMSは外出先でスマートフォンや携帯電話、ノートPC、PDAなどのモバイル端末から会社の業務システムにアクセスするためのソフトウェア製品。サーバ向けソフトウェアと、クライアントとなる端末向けソフトウェアから構成され、メール、グループウェア、ファイルサーバなどが利用できる。また、リモートでモバイル端末の管理・監視・操作も行える。実際の製品は利用用途別に用意され、「Intellisync Wireless Email」(1万2600円)、「Intellisync Device Management」(9450円)、「Intellisync File Sync」(9450円)、「Intellisync Application Sync」(1万6800円)の4つがある(価格はすべて1ライセンス当たり、税別)。

新しくなったSymbian S60搭載端末向けのクライアントメニュー画面。Javaアプリケーションだったものをネイティブアプリケーションとして書き直し、動作が軽快に

 新たにサポートしたGmailは本来は個人向けサービスだが、「企業でもバックエンドはGmailを使うというところは増えている」(インテリシンク テクニカルセールスマネージャー高久哲良氏)という背景から追加した。Gmailのメールをサーバ上のIMSがユーザーのモバイル端末に転送する。端末に対して、メールはプッシュメールとして送られてくる。IMAPでの利用も可能だ。

 また、新バージョンではメールの複数アカウント利用に対応した。例えばMicrosoft ExchangeやLotus Notes/Dominoと、Gmailを組み合わせて、会社と個人宛てのメールを1つのデバイスでセキュアに利用できる。

 SymbianクライアントをJavaアプリケーションからネイティブアプリケーションに書き換えたのも大きな変更点だ。スマートフォンを利用する企業では、VoIPなど複数のソリューションを同時利用するケースが多く、起動や動作が重いという課題があったためだ。インターフェイスのレスポンスが向上したほか、メモリ消費量も削減。低消費電力化にも貢献するという。

Gmailに対応したほか、複数アカウントのメール利用に対応した

 新クライアントでは「ファストプッシュ機能」として、従来のプッシュ方式を刷新。プッシュメール同期時間を短縮したほか、データ圧縮率を高め、パケットのフレームサイズも大きくしてスループットを高めた。ファストプッシュ機能は現在Symbianクライアントでのみ利用可能だが、今後順次Windows Mobileなどほかのクライアントにも対応してくという。

国内スマートフォン市場拡大予測に期待感

インテリシンク 代表取締役社長の井手龍彦氏

 製品発表会で会見した同社代表取締役社長の井手龍彦氏は、同社が国内販売をスタートして3年半となるいま、「ようやく日本でも端末が増えて真価が発揮できるようになってきた」と話し、エンタープライズ市場でのモバイル利用活性化に期待感を示した。「現在、日本の携帯電話端末市場は5000万台で飽和しているが、スマートフォン市場は急速に伸びる」(井手社長)といい、同市場が年率78%で伸び、2010年には全携帯電話市場の13%に相当する約630万台がスマートフォンになるという調査データを紹介した。同社の売れ行きも伸びており、すでに2008年の出荷ライセンス数は昨年のトータルを超えていること、これまで300〜400ライセンスという規模の案件が多かったものが1000ライセンスを超える大量導入の案件が、2008年1月から6月からだけでも3、4件あったことという。今後は、現在11社となったSIパートナーやキャリア・デバイスメーカーとの連携を強めつつ、デバイス管理や、今後伸びが期待されるUMPC(ウルトラモバイルPC)市場でのビジネス拡大を図るという。

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